Last Update 2014/10/07

電磁界シミュレータで学ぶ高周波の世界
高速ディジタル時代に対応した回路設計者の基礎知識

小暮 裕明 著
B5変型判 136ページ
CD-ROM付き
定価2,420円(税込)
JAN9784789833509
1999年10月31日発行
[絶版→新版移行2010.3.15] 電磁界シミュレータで学ぶ高周波の世界
こちらの商品は品切れ絶版となりました.新版の『[改訂] 電磁界シミュレータで学ぶ高周波の世界【オンデマンド版】』をお求めください.

 ディジタル回路の世界では,500MHzを超えるクロック周波数で動作する時代になってきました.こうなると,ディジタル的な動作というより,高周波のアナログ的な動作になります.この高周波の世界では,ディジタルの世界では考えられない,予想外の奇妙な振る舞いをすることがあります.これからのディジタル回路設計者は,論理設計,タイミング設計だけでなく,高周波対策をも考慮しないと,思わぬトラブルに出会います.
 本書の目的は,電磁界解析ソフトを活用しながら,高周波の世界を体験し,その基礎を理解することにあります.付属CD-ROMには,本書で使用したCADツールのなかで電磁解析ソフト「Sonnet Lite」が収録されています(製品版ではなく評価版なので,使用上の制約があります).

目次

はじめに

第1章 すなおに電線を通らなくなる電流?
 1.1 2本の平行線
 1.2 モレて伝わる?伝送線路
 1.3 モレては困る?伝送線路
 1.4 マイクロストリップ線路
 1.5 マクスウェルが予言した変位電流
 1.6 平行平板のまわりの空間
 1.7 伝送線路vsアンテナ
 1.8 マイクロストリップ線路構造の特徴
 第1章のまとめ

第2章 回路基板のまわりはどうなっているのだろう?
 2.1 線路の曲がり部
 2.2 基板全体からの放射
 2.3 反射係数の値が大きいということは…
 2.4 メアンダ・ライン(蛇行線)
 2.5 バランスの問題
 2.6 多層基板の層間の様子
 2.7 基板のどこから放射するのか?
 第2章のまとめ

第3章 Sパラメータって何?
 3.1 いまや不可欠となったSパラメータ
 3.2 Sパラメータを求める1-図形の入力
 3.3 Sパラメータを求める2-いざ解析!
 3.4 Sパラメータを求める3-結果を調べてみよう
 3.5 4本の直角曲がり線路のSパラメータ
 3.6 Sパラメータの評価
 3.7 より複雑な回路の例
 3.8 グラウンド・バウンスとグラウンド・ループ
 第3章のまとめ

第4章 SPICEを活用しよう!
 4.1 初めてSPICEプログラムと出会う
 4.2 基板の配線は分布定数回路
 4.3 マイクロ波回路の設計
 4.4 再び4本の直角曲がり線路の例
 4.5 高速ディジタル回路の例
 4.6 PSpiceファイルの求め方
 4.7 自動生成のメリット
 4.8 フィルタの解析例
 4.9 R,L,C 集中定数の記述
 第4章のまとめ

第5章 不要輻射の元を見つける!
 5.1 基板の配線上の電流
 5.2 シンプルなMSLモデル
 5.3 グラウンドにスリットがある基板からの不要輻射
 5.4 最悪のケース=スロット・アンテナ?
 第5章のまとめ

第6章 EMCって何?
 6.1 EMCって何?
 6.2 筐体の開口部を介して侵入する電磁波
 6.3 筐体の共振
 6.4 再びプリント回路基板を入れた場合
 6.5 Pentiumプロセッサ
 6.6 EMI測定のシミュレーション
 第6章のまとめ

第7章 すべての道はアンテナに通ず!
 7.1 MININECの驚き
 7.2 アンテナ解析ツールのからくり
 7.3 平面アンテナの解析例を見てみよう
 7.4 Sonnetで解析してみよう
 7.5 同軸で給電したパッチ・アンテナ
 7.6 立体的なアンテナ-ヘリカル・アンテナ/ホーン・アンテナ
 7.7 自動車に搭載したアンテナ
 7.8 EMIとアンテナ
 第7章のまとめ

第8章 電磁界解析ソフト活用虎の巻
 8.1 解析空間のメッシュ化
 8.2 周波数領域vs時間領域
 8.3 モーメント法による電磁界解析ソフト
 8.4 TLM法による電磁界解析ソフト
 8.5 電磁界解析ソフトの精度について
 8.6 使い方のポイントをまとめる
 8.7 電磁界解析ソフトの効果
 8.8 電磁界解析でできること
 第8章のまとめ

Appendix Sonnet Liteについて
 A.1 Sonnetについて
 A.2 Sonnet Liteの制限事項
 A.3 登録方法

索引



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