低電圧/大電流時代の高速ディジタル回路に対応する
オンボード電源の設計と活用
鈴木 正太郎 著
B5変型判 272ページ
定価3,520円(税込)
JAN9784789834391
2003年4月1日発行
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半導体デバイスの微細化が進むにつれて,とくにディジタル回路では低電圧かつ大電流のDC-DCコンバータが必要とされてきています.さらに高効率化,低ノイズ化,負荷応答の高速化,小型でヒートシンクを必要としないことなど,性能面でも要求が高まりつつあります.
本書では,市販されているオンボード用電源モジュールの内部構成と回路動作,効率やノイズ特性について,DC-DCコンバータの基本方式から解説し,正しい活用法を示します.また,実際にいくつかのスイッチング・レギュレータを設計しながら,効率を高め,ノイズを低減させる最新の回路技術を解説します.
本書は「トランジスタ技術」2002年2月号の特集記事をもとに加筆/再編集したものです.
目次
プロローグ 急成長のオンボード電源
急成長が求められているDC-DCコンバータ
市販の最新オンボード電源を見てみよう!
非絶縁型ステップ・ダウンDC-DCコンバータ
絶縁型DC-DCコンバータ
第1章 3端子レギュレータの基本動作と正しい使いかた
高効率なオンボード・レギュレータを簡単に実現できる
1-1 CPUの高速化が電源回路に進化を求めている
1-2 3端子レギュレータのあらまし
1-3 リニア方式3端子レギュレータはどのくらいの熱処理が必要
汎用の3端子レギュレータ
低飽和型3端子レギュレータ
10Wクラスの中出力容量の3端子レギュレータ
1-4 3端子レギュレータの使いかたと注意点
1-5 3端子レギュレータの基本的な使いかた
1-6 新しい高効率3端子レギュレータの誕生
1-7 進化するステップ・ダウン・スイッチング・レギュレータ
効率1%の重み
初期の回路方式
転流ダイオードの損失を改善する同期整流方式
第2章 DC-DCコンバータの種類と基本動作
ステップ・ダウンの基礎から同期整流方式まで
2-1 DC-DCコンバータとは
2-2 各種DC-DCコンバータの基本回路と動作
非絶縁型DC-DCコンバータ
絶縁型DC-DCコンバータ
2-3 20年間では体積は1/8に
2-4 低電圧/大電流時代の絶縁型/同期整流方式のDC-DCコンバータ
2-5 最新のDC-DCコンバータを見る
コラム◆DC-DCコンバータといえばロイヤー回路だった
第3章 小型DC-DCコンバータの研究
新しい高効率3端子レギュレータ
3-1 ヒートシンクの要らない3端子レギュレータ
BSI-miniシリーズのあらまし
3-2 基本回路を動作波形で理解する
3-3 高効率の秘密は同期整流方式にある
同期型整流方式DC-DCコンバータ誕生の背景
同期型整流ステップ・ダウン・コンバータの基本動作を深く理解する
さらなる高効率化を目指して---低Qg特性が鍵!
3-4 小型DC-DCコンバータBSI-3.3S2R0の評価
3-5 続々と発表される高効率/小型ステップ・ダウン・レギュレータ
第4章 オンボード電源を上手に活用する接地テクニック
安全性の向上とノイズ対策を両立させる
4-1 大地の導電性
4-2 AC-DC電源と接地(アース)の関係
4-3 システム電源でのグラウンド(アース配線)
4-4 直流回路(オンボード電源)の接地
4-5 DC-DCコンバータのグラウンドと用語
第5章 オンボード電源の配線テクニック
多岐配線とリモート・センシング
5-1 DC-DCコンバータの配線の基本
コンバータ入力部の配線の基本
コンバータと負荷間の配線の基本
5-2 複数負荷のときのリモート・センシングの施しかた
5-3 リモート・センシング
コラム◆配線の方法
第6章 分散電源システムの構築
モジュールを組み合わせて多出力電源を作る方法
6-1 インターネット/ブロードバンド時代の分散電源システム
6-2 高効率を求められる非絶縁型ステップ・ダウンDC-DCコンバータ
6-3 DC-DCコンバータを組み合わせて作る多出力電源
第7章 低電圧/大電流時代の最新DC-DCコンバータの評価と使いこなし
電源モジュールの使いかたと注意点
7-1 ディジタル回路の高速化による電源の分散化
高速ディジタル回路に給電するときの問題点と解決策
多出力化,分散化で対応する
7-2 応答速度160nsの高速DC-DCコンバータ(BSVシリーズ )
7-3 入力+48V,出力+1.5〜+5V/6.7〜40Aの絶縁型DC-DCコンバータ[USQ(B)シリーズ]
絶縁型DC-DCコンバータの最新鋭
USQ(B)シリーズに使われている技術
7-4 分散化電源システムに対応する最新オンボードDC-DCコンバータ
コラム◆高周波ノイズの目で見た絶縁トランス
第8章 高効率な同期整流DC-DCコンバータの設計ヒント
電源用ICのアプリケーション・ノートから
8-1 PWM-IC LT1773でステップ・ダウン・コンバータを作る
8-2 48Vテレコム用絶縁型DC-DCコンバータ
8-3 コンパクトなテレコム用フライバック・コンバータ
8-4 24V,48V入力の小型/低ノイズDC-DCコンバータ
8-5 高効率/小型昇圧コンバータで3.3Vバスを5V/3Aへ変換
8-6 低電圧入力-低電圧出力DC-DCコンバータ
8-7 同期整流方式DC-DCコンバータと部品
第9章 高効率(90-94%)DC-DCコンバータの設計
MCMと少しの部品で作る
9-1 MCMパワーICのあらまし
9-2 MCMで作るステップ・ダウン・コンバータ
MCMパワーICの選択と基本動作
定数設計
プリント・パターンの設計
プリント基板の試作と性能評価
9-3 入力電圧4.5V〜20V,出力0.8V〜3.3V/3Aを効率94%以上で作る
コラム◆MCMパワーICを使った2出力DC-DCコンバータ
第10章 確実に動作する絶縁型DC-DCコンバータの設計指南
安全動作/発振対策/ノイズ対策に役立つ実用知識
電源回路は一般的な電子回路と何が違う?
10-1 仕様と回路方式の決定
仕様
回路方式の決定
10-2 制御回路の設計
制御ICの選択
回路動作を理解する
スイッチング周波数と臨界値の決定
10-3 放熱対策とプリント基板設計
放熱対策
プリント・パターンの設計
10-4 製作後の確認
異常発振の原因を見つける方法
異常発振の対策
メイン回路の電圧,電流,ASOの確認
絶縁トランスの飽和と部品温度の確認
第11章 トランス&チョーク・コイルの設計の要点
インダクタンス値の決定から巻き線の方法まで
11-1 チョーク・コイル設計と臨界点の決定
11-2 スイッチング・トランス設計のノウハウ
11-3 パルス・トランス設計のノウハウ
11-4 安全規格
11-5 巻き線のテクニック
第12章 スイッチング・レギュレータのノイズ対策
静電誘導/電磁誘導を制してノイズ低減を図る
12-1 スイッチング・レギュレータとノイズの発生要因
12-2 ノイズの伝播について
12-3 ノイズの分類とパラメータ
第13章 DC-DCコンバータの出力ノイズ対策
ノイズを出さないオンボード・レギュレータを目指して
13-1 電磁ノイズと静電ノイズへの対応
13-2 スイッチング・ノイズとリプル・ノイズへの対応
13-3 低ノイズDC-DCコンバータの回路技術
超低ノイズ・コンバータの条件
低ノイズ特性を実現する回路技術TCT
13-4 直流出力側に付けるノイズ・フィルタ
コラム◆なぜ,電源から遠ざかるほどノイズが増大するのか
第14章 ノイズ対策としてのコンデンサの効果と使いかた
使用するコンデンサの特徴と温度特性を考慮する
14-1 コンデンサの特性
ポリエステル・フィルム・コンデンサの使用上の注意
電解コンデンサの温度特性
14-2 低温度と出力リプル・ノイズ
第15章 プリント基板のレイアウト設計ノウハウ
どこへ結ぶか…それが重要
15-1 レイアウトによるノイズ発生の比較
15-2 ノイズ発生の少ないレイアウト
第16章 高速ダイオードを評価する
スイッチング周波数の高速化に対応する
16-1 高周波整流ダイオードの問題点
16-2 ステップ・ダウン式スイッチング・レギュレータを使ってダイオードを評価
コラム◆ダイオードの損失計算方法
索引