マルチメディア技術の基礎
DCT(離散コサイン変換)入門
JPEG/MPEGからウェーブレット,重複直交変換(LOT)まで
貴家 仁志/村松 正吾 共著
A5判 236ページ
CD-ROM付き
定価2,750円(税込)
JAN9784789836791
1997年9月20日発行
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.
JPEG/MPEGといったマルチメディアの基幹技術のベースは,DCT(離散コサイン変換)です.DCTには,ディジタル・フィルタ,フィルタ・バンク等の応用技術が多々あります.DCTは,情報通信のみならず,LSI設計,ディジタル信号処理,マルチメディア技術応用等,広範囲の技術/研究者に必須の技術となってきました.
本書では,DCTでなぜ圧縮できるのか,DCTのさまざまなタイプの使い分けは,といった疑問に答えつつ,ウェーブレットや重複直交変換(LOT)といった,「DCTの先」の技術まで解説します.
数学的な記述はできるかぎり避け,ディジタル信号処理技術の応用という立場から解説しています.
付属CDには,さまざまな変換アルゴリズムをインプリメントしたCのソース・コードやMATLABプログラムを収録しました.MATLAB EXPO(試用版)も収録しています.
目次
第1章 DCTで何ができるか
1.1 信号変換の必要性
1.2 DCTの応用例
1.3 本書の構成
1.4 まとめ
第2章 DCTのタイプと画像への応用
2.1 DCTの表現法
順変換/逆変換と直行行列
2.2 DCTのタイプ
DCTのタイプ/DSTのタイプ/DCTの基底
2.3 画像信号のDCT
画像信号の表現/多次元DCT/多次元DCTの可分性/2次元DCTの行列表現/2次元DCTの基底
2.4 まとめ
コラムA:DCTの基底
第3章 DCTとフーリエ変換
3.1 フーリエ変換の性質
3.2 一般化DFT(GFT)
3.3 対称周期行列
3.4 4種類のDCT
正規直交化操作/GDFTとDCTの関係
3.5 4種類のDST
4.6 まとめ
コラムB:フーリエ解析の種類
第4章 画像圧縮におけるDCT
4.1 情報圧縮とは
4.2 圧縮方式の分類
4.3 符号化の基礎技術
線形PCM符号化/エントロピー符号化/予測符号化/色空間
4.4 DCTを用いた画像圧縮
DCT符号化方式/JPEGにおけるDCT/MPEGにおけるDCT
4.5 まとめ
4.6 プログラム例
コラムC:ハフマン符号とランレングス・ハフマン符号の作り方
第5章 DCTの高速実現
5.1 DCTの行列演算法
5.2 FFTによる実現
FFTの概要/DCTとFFTの関係
5.3 スパース行列分解アルゴリズム
チェン(Chen)のアルゴリズム/ワン(Wang)のアルゴリズム
5.4 その他のアルゴリズム
5.5 IDCTの高速実現
5.6 二次元DCTの高速実現
5.7 まとめ
5.8 プログラム例
第6章 DCT,フィルタ・バンクとLOTウェーブレット
6.1 フィルタ・バンクの構成
フィルタ・バンクの並列構成/フィルタ・バンクの構成要素/フィルタ・バンクの分類
6.2 等分割最大間引きフィルタ・バンク
フィルタ・バンクの変換行列表現/完全再構成と直交性
6.3 DCTとフィルタ・バンク(DCT,LOT,MDCT)
DCTのフィルタ・バンク表現/DCTによるフィルタ・バンク実現
6.4 ウェーブレット変換
離散時間ウェーブレット変換/レギュラリティ
6.5 まとめ
6.6 プログラム例
コラムD:多入力多出力システムとポリフェーズ行列
第7章 DCTに代わる新しい変換-LOTと一般化LOT
7.1 2分割直交フィルタ・バンク(CQFバンク)
ラティス 構成/設計方法
7.2 一般化LOT(GenLOT)
構成と特徴/設計方法/高速一般化LOT
7.3 M帯域直線位相直交DTWT
7.4 まとめ
7.5 プログラム例
コラムE:非線形最適化
コラムF:ポリフェーズ行列分解とインパルス応答
コラムG:符号化利得と一次AR過程
第8章 DCTの仲間
8.1 直交変換とその効果
直行変換の概要/変換符号化の原理
8.2 カルーネン・レーベ 変換
8.3 アダマール変換
8.4 ハール変換
8.5 ユニタリ変換とパラユニタリ変換
8.6 まとめ
8.7 プログラム例
参考文献
添付CDのプログラム使用上の注意点
1 使用上の注意
2 ライブラリの生成法
3 各プログラムの簡易説明
索引
●本書付属のCD-ROMについてのご注意
本書付属のCD-ROMの貸与または改変,複写複製(コピー)はできません.詳しくはこちらをご覧ください.