Visual Basicで物理がわかる
音波シミュレーション入門
吉澤 純夫 著
B5変型判 188ページ
CD-ROM付き
定価2,750円(税込)
JAN9784789836999
2002年9月15日発行
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.
教科書や数式で解説されている物理現象.それらを実際に動かしてみれば,より理解が深まるのではないか.本書は,そんなコンセプトから生まれた物理シミュレーションシリーズの3冊目です.
今回取り上げたテーマは「音波」.コンピュータを使った音の合成と,その逆の音の解析を,Visual Basicを用いたサンプルプログラムで行います.音波といえども立派な「波」ですから,当然重ねあわせの原理や反射・屈折・回折・干渉といった波としての挙動も観察できます.それらをコンピュータの上でシミュレーションしてみましょう.
さらに,Visual Basicを使ったWindowsアプリケーションの開発についての解説も行っています.GUIをもったシミュレーションプログラムの開発もあわせて修得することができます.
また,本書では文化財としても貴重な日光の鳴竜のデータの解析も行い,そのようすを収録した動画データもCD-ROMに収録しています.あわせてお楽しみください.
目次
第0章 序章
0.1 本書の概要
0.2 コンピュータで音を出すには
●マシンのチェック
●コントロールパネルでチェック
0.3 Windows Media Player
0.4 ソフトの紹介
●野津FFT
●wave fileのエディタ
第1章 音波
1.1 音の伝わり方(LongiWave31)
●音の発生
●疎密波(縦波)
●縦波を横波のように表示する方法
●空気中の音速
●ピストルを使う方法
●ニュートンの方法
1.2 音の3要素(旧WaveM3)
●波を表す物理量
●野津FFTで波形表示をする方法
●音の高さ
●音の強さ
●音色
1.3 テープレコーダーの作成(MMcontrol00,MMControl11)
●サウンドレコーダを使ってみる
●MCIコントロールを使う
●簡単なWave Fileの再生プログラム
●MMControlを使いやすくする
1.4 Wave Fileの構造(MMControl22)
●RIFFファイル
●PCM方式
●dataチャンクの構造
●Wave Fileの構造を読みとる
●ファイルの再生時間
●MMControlの問題点
1.5 波形の表示(MMControl55)
●動的配列
●factチャンクがある場合には?
●Samplingされたデータを読み込む
●波形の全体表示
●波形の部分拡大表示
●Drag&Dropでファイルを読み込めるようにする
1.6 音を式で作る(MakeWaveFiles33,TypeStatement00,旧Cir_Osi)
●単振動を式で表す
●(3)式で音を作る
●Typeステートメント
●(3)式をプログラミングする
●Wave Fileを保存する
●メニュー形式
●チェックマークをつける
●実行してみると
第2章 音波の性質
2.1 うなり(Beet44,MakeBeet11,旧Kasane03)
●波の重ね合わせの原理
●うなりとは?
●うなりの音を作るには
●どうして音が大きくなったり小さくなったりするのか
●うなりの振動数は?
●うなりの音波が伝わってくる様子を観察する
●うなりは調律で使われる
●音でなくてもうなりは起こる
●テルミン
●簡易版のテルミン
●簡易テルミンの原理
2.2 音階と和音(音階作製,音階作製2,Make3Chord11)
●音程・音階
●純正律音階
●平均律音階
●音階作製プログラム
●和音作製プログラム
2.3 音の反射・屈折(旧Reflect11,旧Reflact)
2.3.1 音の反射
●波の反射
●反射の法則
●音波の反射のいろいろ
2.3.2 音の屈折
●水面の波の屈折
●音波の屈折
2.4 音の回折・干渉(旧ReadWave CD-ROM)
2.4.1 音の回折
●水波の回折
●騒音はすき間からも忍び込む
●塀があっても音は聞こえる
2.4.2 音の干渉
●水波の干渉
●音の干渉
●干渉の条件を式で表してみよう
●クインケ管
●アクティブノイズコントロール
●音のフレネルレンズ
2.5 発音体の振動と共振・共鳴(Heikan,Kaikan,旧StandingWave1,旧StandingWave2)
●弦の固有振動
●弦の定常波の形成過程
●気柱の固有振動
●共振・共鳴
●気柱の共鳴を用いた振動数の測定
●閉管のプログラムの解説(Heikan.vbp)
2.6 ドップラー効果(DopplerCircle22,DopplerSound11,旧ReadWaveCD-ROM)
●ドップラー効果とは
●2次元シミュレーション
●ドップラー効果によって観測される振動数はどんな式で表せるのであろうか
●衝撃波
●波の壁
●衝撃波の音
●DopplerCircle22の解説
●ドップラー効果の音を作るプログラム(DopplerSound11)
第3章 フーリエ変換
3.1 複雑であるが周期的な波を作る(AllSinWave,AllCosWave,Marge5Sound)
●波の重ねあわせ
●f0,2f0,3f0,……をまぜる
●整数倍でないものをまぜるとどうなるだろうか
●コサイン波をまぜると?
●フーリエ級数
●a0は何を表すのか
●a1,b1,a2,b2,……は何を表すのか
●図2,図4をプログラムで作る
●図9のプログラム
3.2 複雑であるが周期的な波からan,bnを求める(IntgCos2,IntgSin2,CosFilterTest,SinFilterTest,FourierAnBn)
●cos波の面積を求める
●sin波の面積を求める
●a0を求めるには
●cos波同士のかけ算とその面積
●(cos2πft)2の面積は?
●sin波同士のかけ算とその面積
●(sin2πft)2の面積は?
●sin波とcos波のかけ算とその面積
●面積のまとめ
●an,bnを求めるには
●数値積分の方法
●(4)式と(11)式を数値計算する
●この節で作成したプログラムの解説1
●この節で作成したプログラムの解説2
3.3 基本周期が不明な場合のフーリエ変換(DiscreteF,Rectangle,FourierTrans20,Onna-A,Guiter-re)
●フーリエ展開を変形する
●基本周期Tがわからないときには?
●離散フーリエ変換
●(10)式のプログラムを作る
●離散フーリエ変換プログラムの改良
●この節で作製したプログラムの解説
●Private Sub Calculation()について
●MSFlexGridを使う
●vbHourglass,vbDefaultについて
第4章 FFTとこれを用いた実験
4.1 FFTの原理(FourierTrans50)
●計算の回数
●サンプリングの定理
●高速フーリエ変換(FFT)
●FourierTrance20.vbpをFFTに改変する
4.2 野津FFT
●野津FFTを付録のCD-ROMからインストールする
●野津FFTの機能
4.3 野津FFTを用いた実験
●「あ〜」
●440Hzのおんさ
●うなり
●試験管を吹く
●ダイナビー
●コイルとコンデンサによる音の変化
●小宮氏の音階
●CO2の中で笛を吹くと
●ワイングラスの音
●楽器の音をFFTで分析する
4.4 日光の鳴竜
●日光の鳴竜とは
●鳴竜に関する過去の調査・研究
●復元に伴う調査
●今回の調査
●大谷資料館
●おわりに
コラムA エジソン式コップ蓄音機
コラムB 映画「テルミン」
コラムC テルミンを作ってみよう
コラムD うなりの波形を式で表してみよう
コラムE 5.1チャンネルで楽しむAVアンプ
コラムF アルミパイプの振動
コラムG 笛を作ろう
コラムH ブレンドコーヒー
●本書付属のCD-ROMについてのご注意
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