Last Update 2010/07/21

Visual Basicで物理がわかる
音波シミュレーション入門

吉澤 純夫 著
B5変型判 188ページ
CD-ROM付き
定価2,750円(税込)
JAN9784789836999
2002年9月15日発行
[絶版2006.6.15] 音波シミュレーション入門
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.

 教科書や数式で解説されている物理現象.それらを実際に動かしてみれば,より理解が深まるのではないか.本書は,そんなコンセプトから生まれた物理シミュレーションシリーズの3冊目です.
 今回取り上げたテーマは「音波」.コンピュータを使った音の合成と,その逆の音の解析を,Visual Basicを用いたサンプルプログラムで行います.音波といえども立派な「波」ですから,当然重ねあわせの原理や反射・屈折・回折・干渉といった波としての挙動も観察できます.それらをコンピュータの上でシミュレーションしてみましょう.
 さらに,Visual Basicを使ったWindowsアプリケーションの開発についての解説も行っています.GUIをもったシミュレーションプログラムの開発もあわせて修得することができます.
 また,本書では文化財としても貴重な日光の鳴竜のデータの解析も行い,そのようすを収録した動画データもCD-ROMに収録しています.あわせてお楽しみください.

目次

第0章 序章
  0.1 本書の概要
  0.2 コンピュータで音を出すには
    ●マシンのチェック
    ●コントロールパネルでチェック
  0.3 Windows Media Player
  0.4 ソフトの紹介
    ●野津FFT
    ●wave fileのエディタ

第1章 音波
  1.1 音の伝わり方(LongiWave31)
    ●音の発生
    ●疎密波(縦波)
    ●縦波を横波のように表示する方法
    ●空気中の音速
    ●ピストルを使う方法
    ●ニュートンの方法
  1.2 音の3要素(旧WaveM3)
    ●波を表す物理量
    ●野津FFTで波形表示をする方法
    ●音の高さ
    ●音の強さ
    ●音色
  1.3 テープレコーダーの作成(MMcontrol00,MMControl11)
    ●サウンドレコーダを使ってみる
    ●MCIコントロールを使う
    ●簡単なWave Fileの再生プログラム
    ●MMControlを使いやすくする
  1.4 Wave Fileの構造(MMControl22)
    ●RIFFファイル
    ●PCM方式
    ●dataチャンクの構造
    ●Wave Fileの構造を読みとる
    ●ファイルの再生時間
    ●MMControlの問題点
  1.5 波形の表示(MMControl55)
    ●動的配列
    ●factチャンクがある場合には?
    ●Samplingされたデータを読み込む
    ●波形の全体表示
    ●波形の部分拡大表示
    ●Drag&Dropでファイルを読み込めるようにする
  1.6 音を式で作る(MakeWaveFiles33,TypeStatement00,旧Cir_Osi)
    ●単振動を式で表す
    ●(3)式で音を作る
    ●Typeステートメント
    ●(3)式をプログラミングする
    ●Wave Fileを保存する
    ●メニュー形式
    ●チェックマークをつける
    ●実行してみると

第2章 音波の性質
  2.1 うなり(Beet44,MakeBeet11,旧Kasane03)
    ●波の重ね合わせの原理
    ●うなりとは?
    ●うなりの音を作るには
    ●どうして音が大きくなったり小さくなったりするのか
    ●うなりの振動数は?
    ●うなりの音波が伝わってくる様子を観察する
    ●うなりは調律で使われる
    ●音でなくてもうなりは起こる
    ●テルミン
    ●簡易版のテルミン
    ●簡易テルミンの原理
  2.2 音階と和音(音階作製,音階作製2,Make3Chord11)
    ●音程・音階
    ●純正律音階
    ●平均律音階
    ●音階作製プログラム
    ●和音作製プログラム
  2.3 音の反射・屈折(旧Reflect11,旧Reflact)
   2.3.1 音の反射
    ●波の反射
    ●反射の法則
    ●音波の反射のいろいろ
   2.3.2 音の屈折
    ●水面の波の屈折
    ●音波の屈折
  2.4 音の回折・干渉(旧ReadWave CD-ROM)
   2.4.1 音の回折
    ●水波の回折
    ●騒音はすき間からも忍び込む
    ●塀があっても音は聞こえる
   2.4.2 音の干渉
    ●水波の干渉
    ●音の干渉
    ●干渉の条件を式で表してみよう
    ●クインケ管
    ●アクティブノイズコントロール
    ●音のフレネルレンズ
  2.5 発音体の振動と共振・共鳴(Heikan,Kaikan,旧StandingWave1,旧StandingWave2)
    ●弦の固有振動
    ●弦の定常波の形成過程
    ●気柱の固有振動
    ●共振・共鳴
    ●気柱の共鳴を用いた振動数の測定
    ●閉管のプログラムの解説(Heikan.vbp)
  2.6 ドップラー効果(DopplerCircle22,DopplerSound11,旧ReadWaveCD-ROM)
    ●ドップラー効果とは
    ●2次元シミュレーション
    ●ドップラー効果によって観測される振動数はどんな式で表せるのであろうか
    ●衝撃波
    ●波の壁
    ●衝撃波の音
    ●DopplerCircle22の解説
    ●ドップラー効果の音を作るプログラム(DopplerSound11)

第3章 フーリエ変換
  3.1 複雑であるが周期的な波を作る(AllSinWave,AllCosWave,Marge5Sound)
    ●波の重ねあわせ
    ●f0,2f0,3f0,……をまぜる
    ●整数倍でないものをまぜるとどうなるだろうか
    ●コサイン波をまぜると?
    ●フーリエ級数
    ●a0は何を表すのか
    ●a1,b1,a2,b2,……は何を表すのか
    ●図2,図4をプログラムで作る
    ●図9のプログラム
  3.2 複雑であるが周期的な波からan,bnを求める(IntgCos2,IntgSin2,CosFilterTest,SinFilterTest,FourierAnBn)
    ●cos波の面積を求める
    ●sin波の面積を求める
    ●a0を求めるには
    ●cos波同士のかけ算とその面積
    ●(cos2πft)2の面積は?
    ●sin波同士のかけ算とその面積
    ●(sin2πft)2の面積は?
    ●sin波とcos波のかけ算とその面積
    ●面積のまとめ
    ●an,bnを求めるには
    ●数値積分の方法
    ●(4)式と(11)式を数値計算する
    ●この節で作成したプログラムの解説1
    ●この節で作成したプログラムの解説2
  3.3 基本周期が不明な場合のフーリエ変換(DiscreteF,Rectangle,FourierTrans20,Onna-A,Guiter-re)
    ●フーリエ展開を変形する
    ●基本周期Tがわからないときには?
    ●離散フーリエ変換
    ●(10)式のプログラムを作る
    ●離散フーリエ変換プログラムの改良
    ●この節で作製したプログラムの解説
    ●Private Sub Calculation()について
    ●MSFlexGridを使う
    ●vbHourglass,vbDefaultについて

第4章 FFTとこれを用いた実験
  4.1 FFTの原理(FourierTrans50)
    ●計算の回数
    ●サンプリングの定理
    ●高速フーリエ変換(FFT)
    ●FourierTrance20.vbpをFFTに改変する
  4.2 野津FFT
    ●野津FFTを付録のCD-ROMからインストールする
    ●野津FFTの機能
  4.3 野津FFTを用いた実験
    ●「あ〜」
    ●440Hzのおんさ
    ●うなり
    ●試験管を吹く
    ●ダイナビー
    ●コイルとコンデンサによる音の変化
    ●小宮氏の音階
    ●CO2の中で笛を吹くと
    ●ワイングラスの音
    ●楽器の音をFFTで分析する
  4.4 日光の鳴竜
    ●日光の鳴竜とは
    ●鳴竜に関する過去の調査・研究
    ●復元に伴う調査
    ●今回の調査
    ●大谷資料館
    ●おわりに

  コラムA エジソン式コップ蓄音機
  コラムB 映画「テルミン」
  コラムC テルミンを作ってみよう
  コラムD うなりの波形を式で表してみよう
  コラムE 5.1チャンネルで楽しむAVアンプ
  コラムF アルミパイプの振動
  コラムG 笛を作ろう
  コラムH ブレンドコーヒー



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