マイコンのシリアル・バスやデータ・バスで簡単に接続,制御できる!
小型液晶ディスプレイの選び方と使い方
トランジスタ技術編集部 編
B5変型判 240ページ
定価2,640円(税込)
JAN9784789841214
2006年5月15日発行
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ重版未定となりました.
パソコンやテレビなどで活躍している液晶ディスプレイは,いまや表示素子の標準デバイスになりました.では,どうすれば液晶ディスプレイを自社の製品に組み込めるのでしょうか?
本書では組み込み機器の開発者向けに,マイコンと液晶ディスプレイの接続方法や,液晶ディスプレイの制御方法などについて解説します.
目次
低価格化が進み品種が増えたLCDは組み込みの世界で大活躍する!
イントロダクション ますます注目される小型液晶ディスプレイ
パラレル・バス/シリアル・バス/アナログRGB/ディジタルRGBなど
第1章 LCDへのビデオ・データのインターフェースあれこれ
パラレル・バスで接続する
ドット・マトリックス・キャラクタ・ディスプレイ・モジュール
ワンチップ・マイコンで簡単に制御できる
SC1602BSLB/BS*B(Sunlike Display Tech.)の接続方法
ドット・マトリックス・グラフィック・ディスプレイ・モジュール
ILM-1252G(インテグラル電子)への接続方法
シリアル・バスで接続する
インテリジェント・グラフィックLCD
ITC-2432-035(インテグラル電子)の接続方法
RGB信号で接続する
アナログRGB接続のLCD
NL3224AC35-10(NEC液晶テクノロジー)への接続方法
LQ080T3AG01(シャープ)への接続方法
ディジタルRGB接続のLCD
NL6448BC20-08(NEC液晶テクノロジー)への接続方法
LVDSインターフェースで接続する
高速信号の伝送に向く
LVDSインターフェースICによるLCDへの接続例
AA121SL03(三菱電機)への接続方法
産業用LCDの入手方法
NEC液晶テクノロジー株式会社
三菱電機株式会社
京セラ株式会社
シャープ株式会社
コラム 「高圧注意!」バックライト・インバータのお話し
コラム LCDを「素」で買うと…
アルファベット,カタカナ,記号,ユーザ定義文字を表示でき廉価
第2章 キャラクタ・ディスプレイ・モジュールの使い方
使い方は簡単!8ビットのデータでレジスタを制御する
まずはキャラクタ・モジュール全体の構成を知ろう
LCDコントローラ内部の各機能ブロックの役割を知ろう
インストラクション・レジスタとデータ・レジスタ
ビジー・フラグ
アドレス・カウンタ
表示データRAM
キャラクタ・ジェネレータROM
キャラクタ・ジェネレータRAM
タイミング発生回路
ドライバ回路
カーソル/ブリンク制御回路
各インストラクションの機能
表示クリア
カーソル・ホーム
エントリ・モード・セット
表示ON/OFFコントロール
カーソル/表示シフト
ファンクション・セット
CGRAMアドレス・セット
DDRAMアドレス・セット
ビジー・フラグ/アドレス読み出し
CGRAM/DDRAMデータ書き込み
CGRAM/DDRAMデータ読み出し
インストラクションの使い方
電源投入後に設定される初期値
確実に動作させるためインストラクションによる初期化を行う
インストラクションを転送する
キャラクタ・モジュールの制御回路例
制御信号のタイミング特性
H8マイコンを使った例
Appendix 蛍光表示管を使ったキャラクタ・ディスプレイ・モジュール
VFDモジュールの特徴
自発光表示で明るく見やすい
動作温度範囲が-40〜+85℃と広い
制御が簡単
多彩なグラフィック・タイプのVFDモジュールがある
消費電力はやや高い
VFDの動作原理
VFDモジュールの電源
フィラメント電源 Ef
ロジック電源 VDD1
ディスプレイ電源 VDD2
グリッド電圧 Ec
フィラメント・バイアス電圧 Ek
VFDを構造で分類する
一般的なVFDモジュールの構造
BD-VFDの構造
CL-VFDの構造
VFDモジュールを表示タイプで分類する
キャラクタ・タイプ
グラフィック・タイプ
グラフィック・タイプのVFDモジュールへの接続
パラレル・インターフェース
シリアル・インターフェース
制御ボードの製作
VFDモジュールを動かしてみる
LCD駆動回路内臓マイコンに直結でき,安価,大量生産に向く
第3章 固定表示LCDの特徴と使い方
LCD注文の際,知っておきたい諸特性
表示モード(LCDパネル・タイプ)
採光方式
駆動方式
視野角,視覚方向
動作電圧
接続方法
動作温度,保存温度
LCDを注文する前に検討しておきたいこと
表示内容
駆動回路
LCD内部配線とセグメント割り付け
製作
LCDをマイコンで駆動する
駆動電圧
マイコンのソフトウェア
テスタにみるLCDの制御例
SRAMをリード/ライトするのと同じ感覚でLCDを制御できる
第4章 描画専用CPU付きグラフィックLCDの使い方
VGA以下のカラーLCDの種類
ドット数による分類
表示方式による分類
透過型と反射型
接続する信号による分類
組み込みに向くLCDの供給メーカは?
マイコンのアドレス/データ・バスで制御できるLCDの内部
ディジタルRGB接続のLCDを制御するハードウェアの製作
ハードウェアの仕様
LCDコントローラの周辺回路
電源回路
入力コネクタ部
LCDへの出力部
バックライト・インバータ部
FPGA部
フレーム・バッファ用メモリIC
LCDコントローラの内部ブロック
フレーム・バッファについて
レジスタについて
全体の組み立て
ソフトウェアの設計
購入したのはH8/3052LAN開発キット
スタートアップ・プログラム
点描画,ボックス描画ソフト
文字描画ソフト
7セグメント表示ソフト
そのほかのライブラリなど
動作確認
ソフト1:8色タイル・パターン
ソフト2:自動ブリンク機能
ソフト3:透明色表示の確認
ソフト4:7セグメント表示とバー・グラフ表示
65000色化
製作に関するアドバイス
製作に要した時間と費用など
産業用LCDを自社商品へ採用するときの問題点
供給期間
ノイズ
額縁
耐水性
表示品位の温度変動
耐衝撃性能
インターフェース
消費電力
コラム タッチ・パネルのしくみ
コラム 実際にカラーLCDを動かしてみたい方へ
シリアル・パスを使いコマンドを送るだけで文字や画像を表示できる
第5章 描画コマンド方式のグラフィックLCDの使い方
RS-232-C I/Fを持つITC-6448の特徴
ITC-6448の描画に関する特徴
ITC-6448に搭載されたLCDコントローラの特徴
ITC-6448のコマンドの説明
ITC-6448を使ってみる
サンプル画面の仕様
表示前の準備
実際に表示させてみよう
Appendix アナログRGB信号をディジタルRGB信号に変換する回路
変換基板のブロック図
変換基板各部の説明
実際にLCDを動かしてみる
赤外線脈波計を作りながら学ぶ
第6章 RAM付きグラフィックLCDの使い方
グラフィックLCDへのインターフェースの種類
描画コマンドを受け付けるCPUにアクセスする方式
ライブラリをカスタマイズできる描画専用CPUにアクセスする方式
表示データRAM内蔵の液晶表示コントロール専用ICにアクセスする方式
アナログのRGB信号で市販のパソコン用モニタなどにアクセスする方式
SG12232を使った赤外線脈波計の製作
グラフィックLCD SG12232の使い方
製作した赤外線脈波計の回路
赤外線脈波計の動作原理
プログラムの制作
VRAMボードの製作
ボードの仕様
ハードウェアの製作
回路構成
CPLDの回路設計
拡散処理
コラム CRTコントロールと液晶コントロールの違い
文字を映し出すしくみから高解像度を実現する技術まで
第7章 LCDの表示原理
白や黒の表し方
2枚の偏光板を通過する光の量を調節する
たくさんの偏光板対を集めれば文字を表現できる
偏光板間を通過する光のねじれぐあいを液晶分子で調節する
透明電極で画素ごとの液晶層に電圧を加える
液晶分子をねじる方法はいろいろある
液晶表示モードはLCDの性能を決める最大要素
液晶分子は発光しないためバックライトが必要
液晶の駆動方法は二つ…スタティック駆動とダイナミック駆動
画素ごとに完全独立制御を行うスタティック駆動
画素数が増えてくるとダイナミック駆動
単純マトリックス駆動方式のあらまし
構造がシンプル
信号線と走査線の交点で液晶に任意の電圧を加える
配線数をM+N本に抑え各液晶に加える電圧を走査する
画素に加える電圧と明るさの関係
単純マトリックス方式の欠点
クロストークが発生する
単純マトリックス方式の弱点を克服する方法
実効電圧を平均化する電圧平均化法
半選択画素と非選択画素に加わる電圧が同じためクロストークが出ない
電圧平均化法の実際
これまでのTNモードでは高解像度化が望めない…STNモードの登場
TNモードは制御電圧に対して白表示と黒表示の変化が鈍く動作マージンが足りない
STNモードは動作マージンが1.1以下であっても駆動可能
STNモードの登場でLCDの解像度は上がり今も利用されている
単純マトリックス方式の欠点を解決するアクティブ・マトリックス方式
単純マトリックスからアクティブ・マトリックスへ
STNモードの弱点
スイッチをもつことでクロストーク電圧の影響を受けない
画素スイッチをもつためさまざまな液晶表示モードを使用できる
アクティブ・マトリックス方式では走査線と信号線,トランジスタなどが下側ガラス板に存在する
TFT画素構造にはCLCとCstgが付く
TFTの書き込み動作と保持動作
Cstgが必要な理由…保持動作の時定数を大きくしフリッカを抑える
アクティブ・マトリックス方式においてスイッチの役目を果たすTFTと画素の構造
TFTのOFF抵抗を保持するため逆スタガ構造をとる
TFTにはアモルファス・シリコンが使われている
アクティブ・マトリックス方式は製造工程が複雑
実際のアクティブ・マトリックス方式LCD
アクティブ・マトリックス方式の駆動法
走査線と信号線の電位を上げ下げするだけ
走査線と信号線の電位の関係
液晶に加わる電圧極性は隣接する画素間で逆になる
コラム バックライトが不要な反射型LCD
Appendix 画質を劣化させる制御線の波形なまりなどへの対応
波形なまりの影響とその対策
抵抗やコンデンサを伝わるうちに波形なまりが起こる
波形なまりが画質劣化につながる
波形なまりの影響をできるだけなくすくふう
フィード・スルー電圧の発生メカニズムと対策
書き込み動作後と保持動作中の液晶に加わる電圧の差がフィード・スルー電圧
フィード・スルー電圧が発生する要因
実際のアクティブ・マトリックス方式では信号線電位を正方向にもち上げる
保持容量Cstgを設けるもう一つの理由
RGB画素のON/OFFと明るさ調整が肝
第8章 LCDにおける色表現のしくみ
どうやってカラー表示をしているか
赤,緑,青の光を組み合わせると8色を表現できる
3原色の組み合わせと濃淡の調整によって色の数を増やす
LCDがRGBを表現するしくみ
LCDの明るさ調整のしくみ
偏光板の役割
光の振動方向をそろえる
2枚の偏光板の偏光軸の向きを変えると通過する光量が変わる
液晶分子の働き
液晶分子は光の振動方向にねじりを与えることができる
2枚の偏光板とそこに充填する液晶分子の関係
液晶分子の向きを制御する方法
256段階の電圧をかければ256階調の光量を得る
コラム 液晶パネルができるまで
液晶マトリックスを駆動し文字や画像を映し出す
第9章 LCDドライバICの動作と役割
表示装置におけるドライバICの位置付け
液晶セルを駆動するために最終段に置かれている
例1…パソコン用LCD
例2…携帯電話用LCD
液晶セルにデータが表示されるまで
LCDに内蔵される電源の役割
中小型LCDでは電源を内蔵するほうが有利
LCDの中での電圧レベルの変化
駆動波形を交流化し液晶セルの劣化を防ぐ
信号線と走査線を駆動するXドライバとYドライバ
Yドライバの機能とブロック図
Xドライバの機能とブロック図
XドライバとYドライバの駆動波形を組み合わせる
パッシブLCDの駆動波形
カラーSTN方式の駆動方法
STNとしては最も基礎的なAPT駆動法
フレームごとに波形を電圧方向に圧縮するIAPT駆動法
一度に複数の走査線を選択するMLA駆動法
アクティブLCDの駆動波形
TFD方式の駆動方法
薄膜ダイオードで電荷を供給する
TFDはディジタル駆動…明るさや色の階調はPWMで付ける
寄生容量や漏れ電流を防ぐため1ライン反転駆動をする
αTFT方式の駆動方法
薄膜トランジスタで電荷を供給する
αTFT方式はアナログ駆動
LTPS方式の駆動方法
1画素の構造はTFTと同じだがガラス上に多くの機能を作り込む
LTPS方式もアナログ駆動
少ない本数でも安定して伝送できるので,解像度の高いLCDに向く
第10章 LVDSインターフェース活用のススメ
産業機器用LCDも標準インターフェースを搭載し始めた
インターフェースはLCDの解像度である程度決まる
ディジタルRGBインターフェース
マイコンの汎用I/O端子でも制御できる
高速データを数十本もドライブすることになる
アナログRGBインターフェース
D-A/A-Dコンバータを使うことで信号の本数を減らせる
接続回路例
欠点
LVDSインターフェース
なぜLVDSなのか
接続回路例
利点
Appendix LVDSの電気的仕様
信号インターフェースのいろいろ
進化する信号インターフェース
シングルエンドとディファレンシャル
シングルエンドの信号の伝わり方
ディファレンシャルの信号の伝わり方
ディファレンシャルのメリット
ディファレンシャル・インターフェース LVDSとは
二つの規格がある
小振幅(0.35V)で高速伝送に向く
LVDS回路の構成と動作のしくみ
索引