1-2 作戦を立てる(つづき) (1)アンテナの取り付け方法 本当は屋上にアンテナを立てたいところですが,まずは自分の部屋のベランダからスタートします.幸いベランダには頑丈な鉄製の手スリがありますので,そこにマストを固定できそうです.手スリの太さは約φ50mm,建築足場用の直交クランプ(図1−1)が使えることがわかりました.
そのほかにも強化プラスチック製のクロス・マウントやHFの八木アンテナにも使えそうな亜鉛メッキされた金属製のクロス・マウント(図1−2)もハム・ショップで売っていました.一番安価で頑丈そうな直交クランプを使うことにしました.
ただ,ベランダでの作業中に万が一工具などを落としてしまい,他人に損害を与える時のことを考え,アンテナ保険にも加入しておきます. (2)電波障害 TVはノイズやゴーストのないとてもきれいな画像です.こちらの出力も50Wで大きくないので,TVIに関してはほとんど問題はないと思われます. 電話やステレオ,ビデオには基本波として上下左右のお宅の電気製品に飛び込む可能性はあります.これも50Wという出力と鉄筋コンクリートの建物の遮蔽効果を考えると,それほど心配しなくてもよさそうです. (3)ベランダの使用許可 ベランダが共有部分であることは「CQ ham radio」誌を読んで知っていました.しかし,建物の外から見るとBSアンテナがいくつかベランダに取り付けられています.ハムのアンテナもそれほど大きいものでなければ許容されそうです. これらを踏まえて次のような作戦(図1−3)を立てました.
このフローの中で大切な点は,まず第一に段階的QRO,第二にインターフェアの事前調査,対策の研究です.最初は10Wからはじめ,設備の正しい動作を確認します.インターフェアも調査します. 次に50WにQROして再度インターフェアの調査をします.50Wですから送信設備に施さなければならないコモンモード・フィルターや,ACライン・フィルター(図1−4)は当然用意します.自宅にも周囲のお宅にもインターフェアが発生している確立が高くなります.まず自宅で発生していないことを確認してから,周りのお宅に伺ってみます.
アンテナのベランダへの設置も,周りのお宅にそれとなく言っておきます.インターフェアの話はその時に同時に聞いておきます. 周りのお宅に迷惑をかけていないのを確認してから本格運用に入ります.実はこの時点では管理組合からの運用許可はまだ取っていません.許可申請をする前に管理組合の雰囲気を掴みます.インターフェアやアンテナについてのクレームはないのがもうすでにわかっているので,対応はとても楽でしょう.保険や誓約書も用意して審議に備えます. Copyright 2000 原岡 充 |
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