はじめに
1999年春,Windows版Microsoft InternetExplorer5.0が登場し,XML(eXtensible Markup Language)のWebページが閲覧できるようになりました.わたしたちは,早速,ページ制作に着手し,XMLサンプのコーナ「Try!XML,XSL」を開設しました.また,仕事でも何点かのXMLページを制作し,多数のXMLユーザと知り合いました.
Webページのご訪問者からは,多くの感想メールが寄せられています.そんな中で多い声は,「XMLで,どんなWebページが制作できるのかイメージできなかった,そのモヤモヤした気持ちが,実際に動作するサンプルを見たり,具体的な解説を読んで晴れてきた」というもので,わたしたちは「実践」の重要性を切に感じています.
実際,XMLというコトバは一人歩きしているようにおもえます.XMLのWebページへの関心は日に日に高まりつつあるにもかかわらず,開設されているWebページの数は,まだまだ少ないというのが現状です.
XMLの資料はネット上にもあふれているのに,なぜWebページが増えないのか.その理由は,制作者が,研究開発者と同じ角度から,XMLにアプローチしてしていることにあるのではないでしょうか.知識や技術をきっちり備えてから制作に着手するのではなく,まず,制作から始めてみると,XMLの魅力が分かり,逆に知識も吸収しやすくなると,わたしたちは考えています.
そこで,本書は,技術解説は,Webページ制作に必要な基本の部分のみに抑え,使えるサンプルコードの掲載に重点を置きました.基本中の基本のサンプルから,複数の処理を組み合わせた応用サンプルまで,すぐに利用できるコードを取り揃えています.
XMLの草の根での普及にあたり,「XMLデザイナーメーリングリスト」有志で結成した「XML暴走族」のメンバーとの出会いには,大きいものがありました.メンバーは現在,各々のフィールドで活動しています.メンバーの全員に,この場を借りて感謝いたします.また,今年1月,ボランティアのオンライン運営で開催したイベント「Welcome2000!!XMLワンページフェスタ」実行委員会の皆さまにも感謝いたします.
本書が,XMLのWebサイト開設をめざす一助となれば幸いです.
平成12年6月
(プロジェクト・キッス)
PROJECT KySS
薬師寺国安
薬師寺 聖