Last Update 2004/06/15
IF KERNEL SERIES

高速性・移植性・コンパイラとの透過的接続性を重視した言語処理系
C++インタプリタ ―― CINT

後藤 正治 著
B5変型判 232ページ
CD-ROM付き
定価2,970円(税込)
JAN9784789830850
1997年8月1日発行
[絶版2002.4.30] C++インタプリタ ―― CINT
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.
 ANSI準拠のC++インタプリタである“CINT(シーイント)”についての,開発者自らによる解説書です.
 CINTは,日本よりも欧米でまず使われました.たとえばWWWの開発で有名なCERN(欧州原子核共同研究機関)での標準言語に選ばれています.CINTは,インタプリタですが,規模の制限はほとんどないうえに,ごく一部の制限をのぞき,従来のC/C++コンパイラ用ソースがそのまま動作します.また,C/C++ライブラリやTcl/Tkなど他の言語のソースとの接続/共存も,簡単に実現できます.
 CINTはフリー・ソフトで,世界中のいろいろな人により,Windows95/NT,MS-DOS,Linuxなどの環境上に移植されました.全ソースは公開されおり,それらはすべて本書付属のCD-ROMに収録されています.Windows95&NT/Linux用バイナリ・ファイルも収録しています.

CONTENTS

序章 CINTとは
 0.1 ソフトウェア専門家のために作られていた従来環境
 0.2 手軽に使えるインタプリタ環境がほしい
 0.3 CINTは組み込みC/C++スクリプト・インタプリタ
 0.4 本書の目的と使い方

《第一部 基本編》
第1章 はじめてのCINT--まずは使ってみる
 1.1 cintコマンド
 1.2 起動と終了
 1.3 電卓として使ってみる
 1.4 HelloWorld.cを走らせる
 1.5 インクルード・パスやマクロの与え方
 1.6 デバッガとして使う
 1.7 プリプロセッサ命令の1パス処理 vs 2パス処理
 1.8 第1章のまとめ
第2章 CINTの特徴と開発の背景
 2.1 CINTの特徴
 2.2 C++言語の問題点
 2.3 なぜCINTか?
第3章 makecintの使い方
 3.1 makecintの概要
 3.2 makecintによる組み込みライブラリ作成の流れ
 3.3 ANSI Cプログラムの組み込みライブラリ
 3.4 K&R Cコンパイラによる組み込みライブラリの作成
 3.5 ANSI C++プログラムの組み込みライブラリ
 3.6 ANSI C/C++両方を含むプログラムの組み込みライブラリ
 3.7 その他のmakecint使用上の注意点

《第二部 応用編》
第4章 cintの高度な使い方
 4.1 セキュリティ・モード
 4.2 CINT API
 4.3 ERTTI API
 4.4 第4章のまとめ
第5章 makecintの高度な使い方
 5.1 プリプロセッサの使用
 5.2 STUB関数
 5.3 テンプレートを使った組み込みライブラリ
 5.4 ユーザ・プログラムが主環境となってCINTを使う場合
 5.5 インタプリタ環境からアクセスさせたくない部分の処理
 5.6 #pragma K&R と #pragma ANSI
 5.7 マクロ関数の組み込み化
 5.8 関数へのポインタ
 5.9 makecintを使わないで組み込みライブラリを作る
 5.10 第5章のまとめ
第6章 C++スクリプト
 6.1 C++スクリプトの概念と活用プログラム例
 6.2 C++スクリプトのクラス・ライブラリ
 6.3 第6章のまとめ
第7章 CINTの応用例
 7.1 CINTの起源と電子機器設計における応用例
 7.2 ROOT/CINT--WWW発祥の地,CERNとの共同プロジェクト
 7.3 Tcl/Tkとの統合とグラフィックス環境の構築--WildC++

《第三部 CINTリファレンス》
APPENDIX 1 CINTキーワード
     $CINTSYSDIR            G__DataMemberInfo          parameter information file 
#pragma G__double() platform dependency file
__CINT__ G__init_cint() precompiled library
__MAKECINT__ G__int() preprocessor command
ANSI形式関数宣言 G__isinterpretedp2f() security mode
archived library G__loadfile() STUB 関数
cint G__MethodArgInfo 1パス処理(one-path process)
CINT G__MethodInfo 2パス処理
CINTSYSDIR G__p2f2funcname() アーカイブ・ライブラリ
debugger interfac G__pause() インターフェース・メソッド
debugger prop  G__scratch_all() インタプリタ環境
DLL G__TypeInfo 組み込みライブラリ
ERTTI G__TypedefInfo セキュリティ・モード
ertti.h G__unloadfile() デバッガ・インターフェース
file extention G__value デバッガ・プロンプト
G__[????] hedder file ネイティブ・コード
G__atpause interface method パラメータ情報ファイル
G__BaseClassInfo interpreter environment プラットホーム属性ファイル
G__calc() makecint プリプロセッサ命令
G__CallFunc MAKEINFO ファイル拡張子
G__ClassInfo native code ヘッダ・ファイル

APPENDIX2 cintコマンドライン・オプション
cintコマンドライン・サブオプション
APPENDIX3 makecintコマンドライン・オプション
      makecintコマンドライン・サブオプション
APPENDIX4 デバッガ・インターフェース・コマンド
APPENDIX5 文法制限

参考文献
索引

●本書付属のCD-ROMについてのご注意
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