Last Update 2003/12/03
七五調による電子回路技術定石集
部品の知識から実装技術までのかんどころ

稲葉 保/森口 章成 共著
A5判 304ページ
定価2,456円(税込)
JAN9784789831437
1991年4月1日発行
[絶版1997.1] 七五調による電子回路技術定石集
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.

 電子技術の入門者を対象に,基礎技術をより実践的にわかりやすく解説した,テクニカルな定石集です.
 各種技術のポイントを短歌に詠み込み,それぞれの技術的解説を加えることにより,自然とテクニックが身につくことを目指しました.したがって,読むというより,口ずさむことで技術的概念を習得することが可能です.

目次

第1章 部品の知識
 * セメントも 中を開けば 巻き線型 高周波では Lに変身
 * 測定用 金属皮膜抵抗器 カーボンよりも ずっと正確
 * ダミー負荷 パワーアップは ひとつより 整列接続 するが得策
 * 減衰器 高周波では 漏れやすい シールドしたり ベタアースせよ
 * 抵抗の 比率の精度 上げるには まさにぴったり 集合抵抗
 * 半固定 トリマ抵抗 便利だが 可変範囲は 極力狭く
 * 可変でも 高い精度が 不要なら 十分使える 炭素ボリューム
 * 高精度 ヘリカル・ポテンショ 生かすには スライダには 負荷をかけるな
 * ケミコンは 耐圧,温度も さりながら 電流定格 厳守するべし
 * 大容量 f特も良い タンタルコン 逆接続には 油断禁物
 * パスコンは 低インピーダンスを 保つため 大と小との 二人三脚
 * 高周波 電力回路の パスコンは 電流経路に 多数並列
 * 小さいが 高誘電率 セラコンは 電圧により 容量変化
 * パラ止めは ダテやシャレでは ありません LもRも はじき出し得る
 * フェライトを 貫ぬき留めた ビーズ玉 コイルでもあり コイルでもなし
 * ドーナツに コイルを巻けば トロイダル 磁束が漏れず 計算も楽
 * 対称な 差動信号 作るには 高周波では バラン最適
 * 岐れ道 ハイブリッド・コイル使えば パワー分配 相互不干渉
 * 電流を 切らずに測る プローブは 変圧器ならぬ 変流器なり
 * 小型化に チップ・コイルも 良いけれど 精度,安定度 いまひとつかな
 * EMIフィルの 効果を活かす その秘訣 ガッチリ接地 きちんとシールド
 * 厳重な ノイズ対策 したうえは 内側で切れ パワー・スイッチ
 * トランスの f特を良く したいなら 選ばにゃならない 負荷の抵抗
 * 同軸は シールド線に 似て非なり 間違ングでは 波形乱れる
 * 高速で 低ドロップの ショットキー 濡れ電流は わずか大きい
 * 正確な ツェナ電圧 保つには 変えてはならぬ 動作電流
 * 高速で 大電力の スイッチには バイポーラより MOSに軍配
 * 瞬間に 動作させ得る 値でも 時間とともに 許容値は減る
 * パワーMOS 入力 Zは 高くない 周波数には 反比例する
 * 低雑音 アンプ選びも 要るけれど 下げなきゃならぬ 信号Z
 * 三端子 レギュレータの 出力Z 負荷から見ると コイルと同じ
 * 絶縁型 DC-DCコンバータ C結合で ノイズ素通り
 * フォト・カプラ 理想の絶縁 確かだが それでも必要 ノイズ対策
 * ON・OFFで 速さが違う フォト・カプラ 負荷抵抗も かなり影響
 * 電源の サージ吸収 バリスタも 電子回路にゃ ちょっと用心
 * IC用 ソケット選びの 秘訣とは 使わぬことが 何より勝る
 * 接点の 最大電流 気にするが 「最小電流」 これも大切
 * リレーでは コイル電力 熱になり 誘発される 熱起電力
 * スイッチの 切り替えノイズ 減らすには OFFにならない 機構を求めよ

第2章 回路技術の基礎
 * RC 直列回路の働きは 一次積分 ローパス・フィルタ
 * CR 直列回路の働きは 一次微分 ハイパス・フィルタ
 * f特を 立ち上がりから 測るには 0.35×逆数
 * アナログの サンプル・ホールド・ アンプには 低いIB 高いRi
 * OPアンプ Riだけ高くても fが上がれば Zは下がる
 * 入力の インピーダンス 上げるには 何はともあれ 抵抗分割
 * 高抵抗 T字回路で 擬くとも 他の性能 落ちることを知れ
 * スイッチと 言葉のうえで 呼ぶけれど ON抵抗は 残るCMOS
 * ありふれた ツェナ・クランプ 回路でも 潜む容量 f特下げる
 * 接点の 浮遊容量は 消せないが 2個シリーズで 事実上消す
 * 省部品 自己バイアスを 使うとも 使うべからず 固定バイアス
 * FET バラつき多い 素子なれど ソース抵抗で 変化吸収
 * 定電流 基本的には コレクタの 高抵抗を 利用したもの
 * VBE 温度によって 変わるもの うまく打ち消しゃ 安定になる
 * SEPPでは 無信号でも 喰われてる アイドル電流 忘れてはダメ
 * 電源が 基準精度で ない限り 変動覚悟で 使うべきなり
 * オフセット 調整抵抗 気を抜くと 豈図らんや ドリフトが増す
 * プリアンプ 個別部品で 作るとも 集積回路にゃ ちょいと及ばぬ
 * IBが 小さいはずの BiFET 温度上がれば 何と百倍
 * 負帰還を 減らせスピード 上げるには 位相補償 極力減らせ
 * OPアンプの 出力 Z 測るには 電流変えて 電圧を読め
 * 起こらぬと 言えぬ 短絡,過電圧 外へ出る線 保護は定石
 * 大容量 負荷に手を焼く OPアンプ デルタ回路で 安定度得る
 * 雑音を 嫌うアンプの 信号源 できる限り 抵抗下げよ
 * 低雑音 交流信号に 限るなら 極めて有効 トランス結合
 * アンプだけ 低雑音を 構えても 出力に乗る 電源ノイズ
 * 三端子 安定化電源の 代名詞 頭冷やして 実力発揮
 * 電圧を 変える術なき 三端子 背のびしたり 下駄をはいたり
 * 電源が ディジタル・アナログ 同居なら せめて間仕切り デガップリング
 * アナログに SW電源を 使うなら LCフィルタで 雑音対策
 * 火花散る リレー・コイルや モータは ノイズ防止で 直接に取り付け

第3章 アナログ回路技術
 * OPアンプ 電池で動作 させるには 中点電位 作る手もある
 * 低雑音 アンプ選びも 大事だが 電源きれいに するも大切
 * 直流で コモン・モードを 抑えても fが上がれば 素通り増える
 * 電源の 影響避ける 能力は 最前提が 直流でのこと
 * 負帰還の 仮想接地の 変動が 示してくれる アンプの特性
 * f特は 振幅のみに 限らない 位相平坦 補正もできる
 * 複雑な チョッパ・アンプも 今日日では ワンチップ化で 手軽に使える
 * 低ドリフト チョッパ・アンプの 泣きどころ 出力飽和で 遅ーい回復
 * 電源を コモン・モードが 超えるとき 差動アンプで 信号取り出す
 * 反転と 非反転の 位相差は 回路次第で ゼロに近づく
 * 単体の トランジスタのfTは 電流により 大きく変化
 * 高電圧 ブースタには ディスクリートと OPアンプとの コンビネーション
 * 負帰還を 深くかけられない アンプ 曲げて 入力端子で補償
 * f特は, 電流により 変わるもの 可変帯域 これを応用
 * 高抵抗,高速信号 受けるには 低い入力容量 決め手
 * エミフォロは 手取り早い バッファだけど 負荷によっては 発振注意
 * 大電流 低損失で 得たければ ダーリントンより エミッタ接地
 * 電話用 アクティブ・ハイブリッド回路 トランス負荷で 下がるアイソレ
 * CMOSの DACの応用 可変アンプ ゲインと共に f特も変わる
 * 絶対値 半波整流と 加算器じゃ 低周波でも 波形 難あり
 * 高速化 するは難し 絶対値 差動回路で 位相差減らす
 * ピーク値を 保持する機能 OPアンプ 2個を使って 精度向上
 * 使い良い モノリシックの 乗算器 XとYで 違うf特
 * 割算の 精度は自ずと 限られる 分母ゼロでは オープン・ループ
 * 正弦波 2乗回路を 通したら 2倍のfの 正弦波なり
 * 正弦の 四十五度波 得る方法 サイン・コサイン 同じ比で足す
 * スイッチを 仮想接地に つないだら 大振幅も 楽に切り替え
 * OPアンプ コンパレータに 使うとき スルーレートが 遅れを決める
 * トランジスタ 蓄積時間は 長いもの 並列コンで スピード上げる
 * 強烈な コモン・モードを 除くには 勝るものなし 絶縁アンプ
 * 交流の 信号を送る ケーブルに 電源乗せて 配線減らす
 * おかしいな コイル無くても インダクタ OPアンプと CRで構成
 * FET 温度係数 ゼロの点 手軽に使える 基準電流
 * Q設定 VCVS フィルタでは Cの比よりも 利得を変える
 * バンドパス ローパス,ハイパス すべて得る 状態変数型の フィルタ
 * 2出力 Q計算が 簡単な バイクワッド型の フィルタ
 * 単独では Qが低い ツインT 正帰還かけ Qを上昇
 * OPアンプ 出力Zは インダクタ ローパス・フィルタで 高域が筒ぬけ
 * 小信号 電源雑音は 致命的 ノッチ・フィルタで 鋭くえぐれ
 * 微分器は 型どおりでは 不安定 早いアンプで ゲインは落とせ
 * サーボ用 ループ・フィルタの 積分器 進み補償で 遅れをカバー
 * リモコンで 積分定数 変えるには 乗算器または PWM
 * 正弦波 発振回路の ひずみ率 AGCが その鍵にぎる
 * 2相得る 超低周波 発振器 AGCより リミッタ有利
 * 超低速 ランプ電圧 作るには カウンタ+DACが便利
 * 副共振 奇数倍での 振動を 巧みに利用 オーバ・トーン
 * 方形波 フィルタ通せば 正弦波 高安定度 容易に実現
 * CMOSの 水晶発振 回路でも 入力側は ほぼ正弦波
 * PLL 可変逓倍器の基本 ノイズ,リプルが 波形を濁す
 * ROMのよる 直接波形 合成器 ラッチ無しでは 気になる雑音
 * ありきたり シリーズ・レギュレータ とは言え 入力電圧 谷間に注意
 * 大電流 負荷への配線 長いとき 誤差をなくせる リモート・センス
 * トータルの 消費電力 減らすには 信号電流 控えるがコツ
 * 負電圧 レギュレータ型 コンバータ 大電流と 高精度得る
 * 究極の 基準電圧 399 ヒータ制御で 安定保つ
 * 電流源 高精度化は OPアンプ 大電流は 個別部品で
 * 気をつけよう ノイズ・メータの 表示には 聴感補正 かけてあるもの
 * CMOSの アナログ・スイッチは ノイズ源 電荷注入で オフセット増す
 * バイアスの ピコアンペアを 測るには Cの電圧 変化測定
 * 交流の 大出力の電流源 パワー・アンプに 電流帰還

第4章 ディジタル回路技術
 * 5Vの ロジック・ファミリ 似てるけど 微妙に違う ノイズ・マージン
 * TTL CMOSファミリ 駆動には プルアップまたはHCT
 * 00は 正論理では NANDだが 負論理のとき NORに変身
 * 入力の スルーレートが 低いとき 出力に出る ヒゲに用心
 * 必要悪 外部入力 護るため 入れた抵抗が スピード落とす
 * CMOSは ファンアウト数 無制限? 負荷を増やせば 下がるスピード
 * ロジックの 出力レベル H・Lで インピーダンスも 変化するもの
 * 伝送線 オーバ・シュート 防ぐには クランプするか 直列抵抗
 * 電源の 範囲の広い CMOSは スピード変化 忘れるべからず
 * ロジックは 広帯域の 雑音源 フェライト・ビーズで 拡散防止
 * CMOSの 消費電流は パルス状 パスコン無しでは 電源踊る
 * 低電力 歌い文句の CMOSは fに比例で 電力を喰う
 * SRAMの バックアップは ご用心 電圧,温度で 消費激変
 * 負荷多い システム・クロック ドライバは パラにつないだ CMOS最適
 * インバータ 奇数個つないだ 発振器 遅延時間を 測る方法
 * シュミットで 立ち上がりのみ 積分は ノイズを捨てて 信号残す
 * シュミットで 立ち下がりのみ 積分は 細いパルスを 拡げる役目
 * CR 微分回路は 無理がある 積分+ NANDで安堵
 * 魔訶不思議 積分+ EXOR 上がり下がりの 両辺微分
 * DFF+ゲートで 微分する 同期回路の 基本構成
 * シュミットは 専用ICに 限らない ゲートに帰還 かけても作れる
 * 接点は チャタリング するのは常識 シュミットまたは FFで消す
 * イニシャルの リセット回路の 時定数 長めにとれば いつも安心
 * 電源が 落ちる途中の 悪あがき 防いでくれる 監視IC
 * 4000と HCMOSの ワンショット 遅れはもちろん 時間も違う
 * ワンショット 123は リトリガ 221は ノンリトリガ
 * コンピュータに アドレス・デコーダ 必需品 コンパレータで 汎用対応
 * DFF ホールド時間は 0で良い セットアップは 余裕をもって
 * 2ビットの リング・カウンタ 正確な 90度差の 2相出力
 * FFは 基本機能に 手を加え 変身させて 応用拡げる
 * 非同期の カウンタ出力 ずれるけど 1個でビット 多いのがとりえ
 * 同期式 カウンタ出力 ずれないが 最高fは いまひとつかな
 * レート・マルチ 正確なf 作るとも 多いジッタが 用途制限
 * 直列を 並列に変換する回路 とりも直さず シフト・レジスタ
 * 並列に シフト・レジスタに セットして 送り出したら 直列信号
 * 入力の うちからひとつ 選び出す その名のとおり データ・セレクタ
 * デコーダは ディジタル信号 分配器 n本で 2のn乗選ぶ
 * 多数桁 ディジタル・スイッチ 読むときは デコーダ+ ダイオードOR
 * SRAMの 電池切り替え PNP トランジスタで ドロップ減らす
 * メカトロは 飛び交う火花 ノイズ攻め フォト・カプラなど 今や常識
 * 雑音は 出力からも なだれ込む ハイパワーでは リレー必要

第5章 実装技術
 * 信号線 近づき過ぎは 黄信号 ついたて立てて 悪乗り防げ
 * 降りしきる ノイズの嵐 くぐるには 撚り線シールド 一端接地
 * シールドは 信号までも 削るもの 線は延ばすな シャフトを延ばせ
 * やむを得ず シールド線を 延ばすなら 奥の手もある シールド・ドライブ
 * 見つめ合う コイル同士の誘導は そっぽ向ければ 殊の他減る
 * シールドは いつも板とは 限らない 線一本でも 干渉防ぐ
 * ノイズ取り きれいになった ラインには 寄り添わせるな 外部配線
 * 配線は 直結したかに 見えるとも 長さに比例で リアクタンス増
 * パスコンも 足が長けりゃ パスコイル かっこ良さより 太く短く
 * トランスで コモン・モードは 除れるけど 巻線方法 大きなファクタ
 * 電源の 小型トランス すり抜ける ノイズの関所 ライン・フィルタ
 * セラコンを 二つ並べて 置くだけで 相互間にも ストレ1pF
 * 分圧器 ストレ打ち消す 方法は 直列Rに Cを抱かせる
 * 低レベル 高抵抗の 回路には 近く寄せるな 他の信号
 * 配線が 例え数ミリΩでも 大電流では 起こる電位差
 * 広帯域・大電力の アンプでは つなぐポイント 極めて重要
 * 電源を 抵抗ゼロでは つなげない デカップリングで 干渉防ぐ
 * 出力の 電位で囲む ガード法 部品変えずに リークを減らす
 * 平滑コン 思いの他の 大電流 パターン通して 出力に出る
 * 焼いもも 天ぷらもある はんだ付け 目で見る検査 大きなたより