Last Update 2019/06/11

これからの製品開発に必須となる技術
組み込みC/C++プログラミング入門

石原 亘 著
B5判 200ページ
定価2,420円(税込)
JAN9784789833394
2005年10月1日発行
[絶版2015.3.10] 組み込みC/C++プログラミング入門
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.

 組み込みシステム開発においては,時間的な制約やプログラム容量的な制約が,ビジネス系のシステム開発より厳しくなっています.そのような厳しい制約のある組み込み開発は,ビジネス系開発で成果をあげている「オブジェクト指向」は向かない,と言われることがよくあります.しかし実は,組み込み開発にオブジェクト指向を適用して容量削減,品質向上を実現した例も多々あります.
 本書では,組み込み開発現場での長い経験をもつ筆者が,組み込みソフト開発に,オブジェクト指向をどのように適用したらよいかを,豊富なソース・コード例を示しながら解説しました.

目次

はじめに

 組み込みシステム開発とオブジェクト指向の遠くて近い関係
第1章 組み込み技術者に必要なプログラミング技術とは?
 1.1 『オレ流』のはじめに
 1.2 組み込みだから,時間制約が,容量制約が厳しいから…
 1.3 二つの事例を考察する
 1.4 モジュール化と階層化

 これだけわかっていれば大丈夫!
第2章 オブジェクト指向で何ができるのか?
 2.1 オブジェクト指向の前の話
 2.2 オブジェクト指向の考え方
 2.3 オブジェクト指向の用語
 2.4 オブジェクト指向プログラミング
 Column1 変態,クラス・チェンジ
 Column2 一部分だけオブジェクト指向
 Column3 オブジェクト指向に関するFAQ(その1)

 構造化プログラミング→オブジェクト指向プログラミング
第3章 オブジェクト指向のおはなし
 3.1 無構造時代
 3.2 構造化プログラミング:機能(function)で分ける――規模への挑戦の始まり
 3.3 データの構造化:構造体
 3.4 データとコードの構造の乖離
 3.5 シミュレーション分野――客/ATM/列(オブジェクトとクラス)
 3.6 機械設計:歯車の大きさは?(メッセージ・パッシング)
 3.7 まごまごする客,普通の客,連れ立つ客(多態と継承)
 3.8 仕様変更,ダメージ範囲
 3.9 仮想世界

 ユースケースとシナリオが重要となる
第4章 オブジェクト指向分析の基本
 4.1 分析とは?
 4.2 システムがすること(ユースケース)
 4.3 言葉の理解
 4.4 機能外要求
 Column1 自分のやっていることは難しい

 アーキテクチャ設計→メカニズム設計→詳細設計へと進んでいく
第5章 オブジェクト指向設計の基本
 5.1 設計とは?
 5.2 アーキテクチャ設計
 5.3 詳細設計
 Column1 オブジェクト指向に関するFAQ(その2)
 Column2 フレームワーク・クラスとコンテナ

 多態や隠ぺいの実装を解説
第6章 オブジェクトやクラスをC言語で表現する
 6.1 オブジェクトやクラスという表現
 6.2 隠ぺいするには
 6.3 クラスの表現
 6.4 多態を実装する

 多重度のちがいによって実装手法が変わる
第7章 Cによる関連の実装
 7.1 コンポジションの場合
 7.2 多重度0, 1の関連
 7.3 多重度の最大値が比較的少ない場合
 7.4 多重度の最大値が比較的多い場合

 クラス,オブジェクト,多態などを使った
第8章 Cによる例外の実装例
 8.1 例外とは?
 8.2 例外の実装の基本型(オブジェクトを使わない例)
 8.3 例外オブジェクト

 プログラマのちょっとした知恵をカタログ状に並べて使う
第9章 デザインパターンの概要
 9.1 デザインパターンとは何か?
 9.2 パターンの紹介
 Column1 メカニズム設計のとき以外に使われるパターン

 流用と再利用,Software Product Lines
第10章 再利用のお話
 10.1 はじめに
 10.2 再利用って何?
 10.3 Software Product Lines

 C++の概要と仮想関数について
第11章 C++の使い方(前編)
 11.1 C++について
 11.2 仮想関数を使う

 デストラクタとStandard Template Library
第12章 C++の使い方(後編)
 12.1 デストラクタを使う
 12.2 インターフェースと実装の分離
 12.3 STL

 組み込み向けのオブジェクト抽出法
第13章 モデリングについて
 13.1 はじめに
 13.2 組み込みの特徴
 13.3 制御対象は何?

 インターフェースのプログラミング
第14章 C++によるプロトコルの実装
 14.1 はじめに
 14.2 最初の例
 14.3 インターフェースを独立させる
 14.4 二つのインターフェース

 基本に戻って考える
第15章 オブジェクトとは何か
 15.1 オブジェクトやクラス
 15.2 オブジェクト指向で作ると…  組み込みシステム開発とオブジェクト指向の遠くて近い関係