Last Update 2005/04/28

ディジタル信号処理の基礎
はじめて学ぶディジタル・フィルタとFFT

三上 直樹 著
B5変型判 140ページ
定価2,090円(税込)
JAN9784789835886
1998年5月1日発行
[絶版→新版移行2005.2.9] ディジタル信号処理の基礎
こちらの商品は品切れ絶版となりました.新版の『はじめて学ぶディジタル・フィルタと高速フーリエ変換』をお求めください.

 アナログ信号をディジタル的に処理する技術はディジタル信号処理と呼ばれています.ディジタル信号処理は,通信,音声,画像,メカトロニクス,医用,計測,制御などの広い分野に,共通する不可欠の基礎技術として使われるようになりました.身近なところでは,CDプレーヤー,携帯電話やPHS,ハンズフリーの電話機,モデム,ゲーム機の音響に関係する処理,ハードディスクのコントローラ,ディジタル・カメラなどにも使われています.このディジタル信号処理の技術は,工学全般にわたって基盤となる技術として,今後ますます重要になることは間違いありません.
 本書は,ディジタル信号処理の大きな二つの柱,ディジタルフィルタとFFTを中心に,ディジタル信号処理の基礎を初心者でも十分理解できるようにやさしく解説しています.
目次

第1章 ディジタル信号処理とは
1.1 はじめに
1.2 ディジタル信号処理の応用分野
1.3 なぜディジタル信号処理か
1.4 ディジタル信号処理システムとDSP
1.5 簡単なディジタル・フィルタ(移動平均)

第2章 離散時間システム
2.1 ディジタル信号処理の基礎概念
 2.1.1 システムの構成と信号
 2.1.2 標本化定理とエイリアシング
2.2 離散時間システム
 2.2.1 アナログ回路と離散時間システム
 2.2.2 差分方程式とブロック図
 2.2.3 ステップ応答
2.3 伝達関数と周波数応答
 2.3.1 伝達関数の求め方
 2.3.2 周波数応答の求め方
 2.3.3 簡単なディジタル・フィルタの例とその周波数特性
 2.3.4 伝達関数の極零点配置と周波数特性
2.4 z変換
 2.4.1 z変換の定義
 2.4.2 z変換の性質
 2.4.3 逆z変換の計算
 2.4.4 z変換の応用
2.5 伝達関数とインパルス応答
 2.5.1 インパルス応答
 2.5.2 インパルス応答と伝達関数,周波数応答
 2.5.3 伝達関数の極とインパルス応答
 2.5.4 離散時間システムの安定性
付録2.1 標本化の数学的な表現
付録2.2 シグナル・フロー・グラフ

第3章 ディジタル・フィルタの基礎
3.1 フィルタに関する基礎事項
 3.1.1 フィルタの分類
 3.1.2 フィルタの通過域,阻止域の範囲による分類
 3.1.3 フィルタの通過域,阻止域の形状による分類
3.2 FIRフィルタとIIRフィルタ
3.3 FIRフィルタの構成
 3.3.1 直接形構成
 3.3.2 転置形構成
 3.3.3 縦続形構成
 3.3.4 格子形構成
3.4 IIRフィルタの構成
 3.4.1 直接形構成
 3.4.2 縦続形構成
 3.4.3 並列形構成
 3.4.4 格子形構成

第4章 ディジタル・フィルタの設計
4.1 FIRフィルタの設計法
 4.1.1 窓関数を用いるFIRフィルタの設計法
 4.1.2 FIRフィルタの設計例
4.2 IIRフィルタの設計法
 4.2.1 基準となるアナログ・フィルタの設計法
 4.2.2 アナログ・フィルタからディジタル・フィルタへの変換法
 4.2.3 IIRフィルタの設計例
付録4.1 ディジタル・フィルタ設計プログラム

第5章 ディジタル・フィルタにおける誤差とその対策
5.1 標本化に起因する誤差とその対策
 5.1.1 エイリアシングの対策
 5.1.2 アパーチャ効果とその対策
5.2 有限語長に起因する誤差とその対策
 5.2.1 数値の表現
 5.2.2 A/D変換とSN比
 5.2.3 係数の量子化誤差
 5.2.4 演算誤差
 5.2.5 演算誤差の対策――スケーリング――

第6章 信号の発生方法
6.1 正弦波の発生方法
 6.1.1 ディジタル・フィルタによる方法
 6.1.2 多項式近似による方法
6.2 正弦波発生法の応用
 6.2.1 振幅変調(AM変調)器
 6.2.2 電圧制御発振器(VCO)
 6.2.3 位相同期ループ(PLL)
6.3 疑似白色雑音の発生方法

第7章 離散的フーリエ変換とFFT
7.1 離散的フーリエ変換(DFT)
 7.1.1 連続時間系のフーリエ変換とDFT
 7.1.2 信号の周波数成分とDFT
 7.1.3 DFTの性質
7.2 高速フーリエ変換(FFT)
 7.2.1 FFTとは
 7.2.2 2を基底とする周波数間引きFFTアルゴリズム
 7.2.3 FFTのプログラム
 7.2.4 FFTの計算量

第8章 FFTの応用
8.1 スペクトル解析への応用
 8.1.1 FFTによるスペクトル解析の問題点
 8.1.2 窓関数とスペクトル解析
 8.1.3 FFTによるスペクトル解析
8.2 フィルタ処理への応用
 8.2.1 循環畳み込みと非循環畳み込み
 8.2.2 FFTによるFIRフィルタの実行
 8.2.3 FFTによるFIRフィルタの実行の例
8.3 相関関数の高速計算への応用
 8.3.1 相関関数
 8.3.2 FFTによる相関関数の計算方法
 8.3.3 相関関数の例

索引