Last Update 2004/06/15

マルチメディア技術の基礎
DCT(離散コサイン変換)入門
JPEG/MPEGからウェーブレット,重複直交変換(LOT)まで

貴家 仁志/村松 正吾 共著
A5判 236ページ
CD-ROM付き
定価2,750円(税込)
JAN9784789836791
1997年9月20日発行
[絶版2002.6.28] マルチメディア技術の基礎DCT(離散コサイン変換)入門
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.

 JPEG/MPEGといったマルチメディアの基幹技術のベースは,DCT(離散コサイン変換)です.DCTには,ディジタル・フィルタ,フィルタ・バンク等の応用技術が多々あります.DCTは,情報通信のみならず,LSI設計,ディジタル信号処理,マルチメディア技術応用等,広範囲の技術/研究者に必須の技術となってきました.
 本書では,DCTでなぜ圧縮できるのか,DCTのさまざまなタイプの使い分けは,といった疑問に答えつつ,ウェーブレットや重複直交変換(LOT)といった,「DCTの先」の技術まで解説します.
 数学的な記述はできるかぎり避け,ディジタル信号処理技術の応用という立場から解説しています.
 付属CDには,さまざまな変換アルゴリズムをインプリメントしたCのソース・コードやMATLABプログラムを収録しました.MATLAB EXPO(試用版)も収録しています.

目次

第1章 DCTで何ができるか
 1.1 信号変換の必要性
 1.2 DCTの応用例
 1.3 本書の構成
 1.4 まとめ

第2章 DCTのタイプと画像への応用
 2.1 DCTの表現法
   順変換/逆変換と直行行列
 2.2 DCTのタイプ
   DCTのタイプ/DSTのタイプ/DCTの基底
 2.3 画像信号のDCT
   画像信号の表現/多次元DCT/多次元DCTの可分性/2次元DCTの行列表現/2次元DCTの基底
 2.4 まとめ
 コラムA:DCTの基底

第3章 DCTとフーリエ変換
 3.1 フーリエ変換の性質
 3.2 一般化DFT(GFT)
 3.3 対称周期行列
 3.4 4種類のDCT
   正規直交化操作/GDFTとDCTの関係
 3.5 4種類のDST
 4.6 まとめ
 コラムB:フーリエ解析の種類

第4章 画像圧縮におけるDCT
 4.1 情報圧縮とは
 4.2 圧縮方式の分類
 4.3 符号化の基礎技術
   線形PCM符号化/エントロピー符号化/予測符号化/色空間
 4.4 DCTを用いた画像圧縮
   DCT符号化方式/JPEGにおけるDCT/MPEGにおけるDCT
 4.5 まとめ
 4.6 プログラム例
 コラムC:ハフマン符号とランレングス・ハフマン符号の作り方

第5章 DCTの高速実現
 5.1 DCTの行列演算法
 5.2 FFTによる実現
   FFTの概要/DCTとFFTの関係
 5.3 スパース行列分解アルゴリズム
   チェン(Chen)のアルゴリズム/ワン(Wang)のアルゴリズム
 5.4 その他のアルゴリズム
 5.5 IDCTの高速実現
 5.6 二次元DCTの高速実現
 5.7 まとめ
 5.8 プログラム例

第6章 DCT,フィルタ・バンクとLOTウェーブレット
 6.1 フィルタ・バンクの構成
   フィルタ・バンクの並列構成/フィルタ・バンクの構成要素/フィルタ・バンクの分類
 6.2 等分割最大間引きフィルタ・バンク
   フィルタ・バンクの変換行列表現/完全再構成と直交性
 6.3 DCTとフィルタ・バンク(DCT,LOT,MDCT)
   DCTのフィルタ・バンク表現/DCTによるフィルタ・バンク実現
 6.4 ウェーブレット変換
   離散時間ウェーブレット変換/レギュラリティ
 6.5 まとめ
 6.6 プログラム例
 コラムD:多入力多出力システムとポリフェーズ行列

第7章 DCTに代わる新しい変換-LOTと一般化LOT
 7.1 2分割直交フィルタ・バンク(CQFバンク)
   ラティス 構成/設計方法
 7.2 一般化LOT(GenLOT)
   構成と特徴/設計方法/高速一般化LOT
 7.3 M帯域直線位相直交DTWT
 7.4 まとめ
 7.5 プログラム例
 コラムE:非線形最適化
 コラムF:ポリフェーズ行列分解とインパルス応答
 コラムG:符号化利得と一次AR過程

第8章 DCTの仲間
 8.1 直交変換とその効果
   直行変換の概要/変換符号化の原理
 8.2 カルーネン・レーベ 変換
 8.3 アダマール変換
 8.4 ハール変換
 8.5 ユニタリ変換とパラユニタリ変換
 8.6 まとめ
 8.7 プログラム例

参考文献

添付CDのプログラム使用上の注意点
  1 使用上の注意
  2 ライブラリの生成法
  3 各プログラムの簡易説明

索引

●本書付属のCD-ROMについてのご注意
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