本書はマイクロソフト社の主力データベース製品であるSQL Server 7.0について,企業のIT関連に従事しているユーザー向けに解説したものであり,大きく4部で構成(およびAppendix)しています.
ターゲットとする読者は以下の方々です.
●SQL Server 7.0の導入を検討する企業システムに関わるITユーザーの方
●SQL Server 7.0によるシステム開発に携わるITエンジニアの方
●SQL Server 7.0を使うパッケージソフトウェアの開発,販売に携わるソフトウェアベンダーの方
全体は以下の構成になっています.
●第1部 企業システム事例研究
実際にSQL Server 7.0を本番環境で使用している企業ユーザーの研究事例です.基幹系システムと,ビジュアル情報通信システムの2つの事例について解説します.
●第2部 SQL Server 7.0詳細解説
SQL Server 7.0のプロダクトマネージャ自身による詳細な技術解説です.データベースエンジンの構造,システム管理機能,データウェアハウジングについて,「普段はあまり知っている必要はない,でも知っていると絶対に役立つ」という内容について解説します.
●第3部 管理者が理解したいポイント
ユーザー,ベンダーそれぞれの立場でSQL Server 7.0の管理面について理解しておきたい内容を解説します.
まず使ってみる :第1章 実践!Ease to Use
従来バージョンからの移行 :第2章 SQL Server 6.0/6.5からの移行
データの保護と復元 :第3章 バックアップ/リストア入門
パフォーマンスの考慮 :第4章 パフォーマンス検証
第5章 SQL Server 6.5とSQL Server 7.0の比較
●第4部 IT研究室 クラスタシステム
企業の業務システムとしてより堅牢なシステムを構築するための研究として,クラスタシステムを取り上げました.ここで取り上げたシステムは,NEC製Express5800とCLUSTERPRO,コンパックコンピュータ製ProLiantとMSCSです.なお,クラスタシステムの挙動を観察するのが目的であるため,あえてSQL Server 7.0との連動は行っていません.
●Appendix SQL Server 7.0製品紹介
最後にISV各社が発表済み,または計画中のSQL Server 7.0対応製品の一覧を,編集部で実施したアンケート調査をもとにAppendixとして掲載しました.このアンケートでは,同時にAccess 2000に対する対応計画も質問しました.この結果も併せて掲載しています.
本書はSQL Server 7.0のインストールガイドではありません.SQL Server 7.0を評価する,既に使い始めている,どのようなものか知りたいと思っている,読者のみなさんの手元に置いていただき,何かの機会があるごとに読み返していただきたい参考書です.
なお,BackOffice Magazine〔1997年12月号から1999年6月号,CQ出版(株)〕の誌上で掲載した内容をもとにしていますが,本書の発売にあたり,新たに取材し追加・再構成しました.