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高速/高セキュリティ/高接続性…今すぐ世界とつながる
無線LAN/Wi-Fiの通信技術とモジュール活用

西山 高浩 著
A5判 256ページ
定価3,300円(税込)
JAN9784789845427
2014年12月1日発行
好評発売中!
無線LAN/Wi-Fiの通信技術とモジュール活用

 無線LANモジュールを使った装置を製作するときに,すぐに役立つ1冊です.
 電波が届く範囲の算出方法や,省電力動作をさせるための設定方法,電池での動作時間の算出方法,お薦めのセキュリティ設定など,具体的なノウハウを解説しています.自分に合ったモジュールの選び方や,動作させるために最低限必要となる設定内容,そして製作した無線LAN装置を製品化するための評価方法も紹介しています.もちろん,IEEE802.11b/a/g/n/acといった規格ごとの特徴もまとめました.
 無線LANの特徴の一つは,インターネットに簡単に接続できることです.無線LAN装置とインターネット上のサーバ間でのデータのやりとりのしくみについても解説しています.

目 次

 遠隔操作や動画・音声をインターネット経由で送受信
Introduction 無線LANが生活に密着してきた
 1 誕生と普及
 2 応 用
 3 自分の機器を無線LANにつなぐには市販モジュールを使うのが現実的

 データを送受信するための決まりごと
第1章 無線LAN装置がインターネットとつながるまで
 1-1 無線LANとは
 1-2 そもそもネットワークとは
 1-3 自分のパソコンがサーバとつながるまで
 Column インターネットを通じて世界中の機器にアクセスできる
 Column アドレスの枯渇問題
 Column 無線LANとWi-Fiの違い

 最低限必要な四つの設定内容
第2章 無線LAN装置がアクセス・ポイントとつながるまで
 2-1 ステーションとアクセス・ポイントを接続するための設定内容
 2-2 ステーションからデータを送信するまでの流れ
 Column CPUパワーが非力なホスト・システムにうってつけの全部入り無線LANモジュール

 高速化を目指して
第3章 無線LAN規格のまとめ
 3-1 IEEE802.11b…2.4GHz帯を使って高速化
 3-2 IEEE802.11a…OFDMを導入し5GHz帯を使って高速化
 3-3 IEEE802.11g…11aと同じ技術で11bを高速化
 3-4 IEEE802.11n…2.4G/5GHz帯両方を包括して高速化
 3-5 IEEE802.11ac…5GHz帯に絞り1Gbps超を目指した
 3-6 その他の規格

 接続先を見定める「認証」と通信したい同士だけが分かる「暗号化」
第4章 データの傍受や不正アクセスを防ぐセキュリティのしくみ
 4-1 セキュリティがかかるまで
 4-2 不正な侵入を防ぐしくみ…認証
 4-3 盗聴を防ぐしくみ…暗号化プロトコル

 スマホからアクセス・ポイント経由でモジュールを動かす
第5章 ネット接続リモートI/O実験装置の製作事例
 5-1 実験装置
 5-2 無線モジュールの設定とアクセス・ポイントへの接続
 5-3 通信できることを確認

 アクセス・ポイントとして動かす
第6章 スマホから直接リモートI/Oする実験装置の製作事例
 6-1 アクセス・ポイントとして動かすには
 6-2 実験に使った装置
 6-3 無線LANモジュールにアクセス・ポイントとしての機能を与える
 6-4 サーバ側のソフトウェアの製作
 6-5 ウェブ・サーバとしてのアクセスおよび動作確認

 単3形電池で1年間動かす
第7章 省電力動作のしくみとトレードオフ
 7-1 省電力動作が必要な用途
 7-2 実際のモジュールで消費電流を確認
 7-3 802.11が規定する省電力動作
 7-4 消費電力と通信速度/距離のトレードオフ
 7-5 電池寿命を意識した設計

 同時送信によるスループットの低下や音声の途切れを防ぐ
第8章 通信品質を確保するしくみ
 8-1 動画や音声など途切れてほしくないデータを優先的に通信するQoS
 8-2 QoSの効果を実験で見てみる
 8-3 複数の端末が通信路に同時アクセスしないようにする
 8-4 IEEE802.11eで標準化されたQoSのしくみ
 8-5 衝突予防技術CSMA/CA方式の課題
 Column 送信オーバヘッドを減らすバースト送信

 選ぶときのヒントに
第9章 無線LANモジュールのハードウェア
 9-1 モジュール選び 七つのチェック・ポイント
 9-2 実際の無線LANモジュールの中身
 9-3 ベースバンドICの中身

 送受信性能のかぎを握る
第10章 RF回路の構成
 10-1 無線通信におけるRF回路の進化
 10-2 トランシーバ・アーキテクチャの進化
 10-3 実際のRFICを構成するブロック
 10-4 ディジタル信号処理によるひずみ補正技術

 アクセス・ポイントの最良の配置場所を決めるために
第11章 通信距離と伝達速度の関係
 11-1 実証実験
 11-2 電波は空気中を伝搬すると減衰する
 11-3 通信距離を計算で求める
 Column 電波の四つの性質「拡散/反射/透過/回折」
 Column 1GHzは1波長30cm

 ひしめく2.4GHz帯域でも通信速度を維持する
第12章 電波干渉を防ぐ技術
 12-1 干渉は通信のジャマ
 12-2 干渉の原因
 12-3 無線LAN規格で行われている干渉対策
 12-4 ユーザができる干渉対策のいろいろ
 Column IEEE802.11は干渉に対する耐性を定めている

 当初の2Mbpsから現在の600Mbps,そして6.9Gbpsを目指して
第13章 変調方式の進化と高速化
 13-1 スループットの実力
 13-2 変調方法が速度UPのかぎ
 13-3 MAC層の高速化技術
 13-4 それでも転送速度が遅くなる要因

 通信距離やつながりやすさが違う
第14章 2.4GHz帯を使う?それとも5GHz帯を使う?
 14-1 2.4GHz帯と5GHz帯の違い
 14-2 2.4GHz帯の周波数利用
 14-3 5GHz帯の周波数利用
 14-4 検討中…他の周波数帯への拡張

 無線LAN機器は勝手に売れない
第15章 タイホありの電波法とロゴ認証
 15-1 日本で無線LAN機器を販売するには
 15-2 欧米の電波法
 15-3 接続性を保証するWi-Fiロゴ・マークを付ける方法
 15-4 日本国内の電磁妨害に対する自主規制
 15-5 無線LAN機器認証の際の注意点

 正しく測定し評価するために
第16章 通信性能のテストや不具合の解析
 16-1 性能テスト
 16-2 送信性能のテスト
 16-3 受信性能のテスト
 16-4 出荷検査の方法
 16-5 放射ノイズ試験
 16-6 不具合の原因を見つける解析ツール

※本書は,トランジスタ技術2012年7月号〜2013年5月号に掲載された連載「今どきモジュールでWi-Fi/無線LAN超入門」に加筆・修正を行い,再構成したものです.