モータ/LED/スピーカ…どんな負荷もソフトウェアで思いのままに
TRSP No.119 はじめてのディジタル・パワー制御
トランジスタ技術SPECIAL編集部 編
B5判 144ページ
定価2,420円(税込)
JAN9784789849197
2012年7月1日発行
好評発売中!
本書では,dsPICマイコンを使用したパワー制御基板を製作し,応用実験を行いながら,いろいろなパワー制御の実例を解説します.
近年,太陽電池/LED/バッテリ/モータなどのパワー系負荷を効率よくディジタルに制御する専用マイコンやFPGAが続々と誕生しています.これは,少しの無駄も出さないきめ細かい制御が可能で,また,いろいろな負荷に対して柔軟な制御プログラミングができ,部品点数が少なく信頼性が高い,経年変化が小さいなどのメリットがあるからです.
本書前半では,dsPIC マイコン,パワー・アンプIC,液晶ディスプレイを搭載した基板を製作し,動かしながら新時代のパワー制御技術をマスタします.後半では,使用したdsPICマイコンのプログラミングの勘所について詳細に解説しています.
目次
次世代のパワー制御にチャレンジしよう
Introduction ディジタル制御電源の幕開け
第1部 ディジタル・パワー制御の基本と制御ボードの製作・応用
マイコンによるきめ細かい制御で省電力化と高性能化を両立
第1章 今どきのパワー・エレクトロニクス
■ほんの少しの無駄も逃さないきめ細かい制御が「今風」
■ディジタル・パワー制御のキー・テクノロジ(1)「PWM制御」
■ディジタル・パワー制御のキー・テクノロジ(2)「フィードバック制御」
■電子回路に見るPWM制御とフィードバック制御
■マイコンで電圧を変換するには
■パワー制御に使えるマイコンのいろいろ
■マイコンを使ったパワー制御の例
第1部〜第2部の実験内容と試作したパワー・ボードの設定
第1部〜第2部の参考文献
高速処理マイコンとワンチップ・パワー・アンプICで簡単設計
第2章 今どきのパワー制御を体験できる実験ボードを作る
■実験ボードの仕様
■キーパーツその1…ワンチップ・マイコンdsPIC33FJ16GS502
■キーパーツその2…ワンチップ・パワー・アンプIC NJW4800
■その他のキー・パーツ
Cコンパイラとドキュメントのダウンロード
dsPICの主な技術資料
希望の温度に素早く収束させる制御を体験する
第3章 ヒータと温度センサで水温を上げ下げする実験
■こたつの中の温度が一定になるしくみ
■水温制御の実験の準備
■実験1…ヒータを1度ON/OFFするだけで対象の性質がわかる
■実験2…ヒータをON/OFFして水温をねらいの温度に制御する
■実験3…水温がなかなか上がらないと発振したり大きな誤差が出る
■実験4…応答の遅れがある対象も発振や誤差なく制御するには
パワー・アンプIC NJW4800のパルス・バイ・パルス方式過電流保護回路
第2部 ディジタル・パワー制御の応用事例集
3色LEDの色合いと輝度をスムーズに変えるテクニック
第4章 マイコン制御のLED電気スタンドを作る
■色合いと明るさの個別調整が簡単で回路もシンプル
■LED照明部の設計
■実験…LEDを点灯させる
■定電流制御を実現するプログラム
■輝度調整のプログラム
■きれいな方形波状の電流で駆動する
定電圧定電流電源のメリット
電圧と周波数を上手に制御して低速から高速までスムーズに
第5章 マイコンによるモータの回転コントロール
■マイコン制御だからこそできること
■モータを回す準備
■実験1…モータの特性を調べる
■ソフトウェアの作り方
ディジタル・フィルタリングとPWM生成のテクニック
第6章 音質調整機能付き高効率パワー・アンプの製作
■信号の流れ
■PWM信号の生成モードとスイッチング周波数の検討
■音楽を再生してみる
■周波数特性調整機能「グラフィック・イコライザ」を実現する
■信号処理プログラムのポイント
■製作したオーディオ・アンプのひずみ率
刻々と変化する発電と充電状態をパソコンに転送&解析
第7章 太陽光パネルによる鉛蓄電池の高効率充電
■予備実験1…太陽光パネルの発電性能を実測
■予備実験2…パワー・ボードの試運転
■予備実験3…鉛蓄電池の充放電
■本番の実験…太陽光パネルと鉛蓄電池を組み合わせる
■プログラムの作り方
鉛蓄電池の取り扱い方
晴れても曇ってもパネルが最大電力状態になる制御
Appendix A dsPICマイコンの初期設定
Appendix B 誤差増幅回路をマイコンに作り込む方法
第3部 インバータ/ディジタル電源用の定番マイコン dsPIC33Fプログラミング入門
dsPICマイコンの基本を学んでオリジナル・ソフトウェアを作れるようになろう
第8章 マイコンのハードウェアの動きを体感する
■内部ハードウェアの動き方と動かし方のイメージ
■実験(1)ソフトウェアで出力ポートをL/HさせてLEDを点滅させる
■実験(2)CPUを止めてハードウェアだけでLEDを点滅させる
トランジスタ技術ホームページ 特設サイトのご案内
dsPICマイコンの基本を学んでオリジナル・ソフトウェアを作れるようになろう
第9章 クロックとPWMを最高速度・最高分解能に設定する
■dsPIC33Fのクロックを最高速に設定する
■高速PWMの設定
■PWM出力ピンの設定
■クロックとPWMを最高値に設定するプログラム
本書で使うdsPICマイコンはシリーズ中最高速のPWMを生成できる
データシートの用語の不統一で一時混乱状態に…
PWMの分解能とスイッチング・ノイズの深い関係
dsPICマイコンの基本を学んでオリジナル・ソフトウェアを作れるようになろう
第10章 A-Dコンバータの使い方
■dsPICのA-Dコンバータ
■割り込みの使い方
■テンプレート・プログラムを作る
第4部 ソフトウェア制御スイッチング電源の研究
電源の新たな方向性が見える
第11章 ディジタル化のメリットと専用マイコン
■ディジタル制御電源には2種類ある
■ディジタル化するメリット
■マイコンに求められる性能
ボード線図で見るPI制御
第12章 ソフトウェア制御のDC-DCコンバータを作る
■STEP1…出力電圧を安定化させる
■STEP2…発振しない電源に仕上げる
■実機で周波数特性が最適化されていることを確認
PWM回路の遅延
PWMのスイッチング周波数とLCフィルタ
電源のフィードバック制御理論が分かるとマイコンの中身が分かる
第13章 手計算でDC DCコンバータのフィードバック制御を設計する
■定電圧制御ステップダウン・コンバータの伝達関数
■伝達関数を使って安定性を調べてみる
エラー・アンプのゲインが大きいことはフィードバック制御の前提条件