Last Update 2022/02/25

CQブラシレス・モータ&インバータ・キット 簡易セット版
※V850用の開発環境のE1(ルネサス製)は付属されていません.
この商品には新しいバージョンがあります.
ブラシレス・モータ&インバータ・キット2E エコノミー・セット
ブラシレス・モータ&インバータ・キット2H ハイグレード・セット

製造元: (株)ミツバ/発売元 CQ出版社
ダンボール箱入り
【直接販売商品】
価格79,200円(税込)
2012年7月30日発行
[品切れ重版未定→新版移行2021.9.22] {取扱い商品-Tech Villageセレクト・シリーズ} CQブラシレス・モータ&インバータ・キット 簡易セット版
こちらの商品は品切れ重版未定となりました.新版の『ブラシレス・モータ&インバータ・キット2E エコノミー・セット』をお求めください.

 本キットでは,“ブラシレスDCモータ”の構造と動作原理を体感して理解できるように,「モータのコイルを手巻き」し,「インバータ回路を半田付け」して組み立てていきます.多様な「制御プログラムの開発・試行」ができるようにソフトウェア開発環境も付属しています.本キットでは,コイルの巻き方でモータの特性がどのように変わるか,制御プログラムでどのような特性が引き出せるのか,回生の効果はどうか,などが定量的かつ体感的に分かるように,少し大きなモータにしています. .
 本キットは,大きく分けて,(1)モータ本体,(2)ドライバ基板,(3)制御基板,(4)センサ基板,(5)モータ固定台,(6)解説書の六つから構成されます.

(1) モータ本体は「アウタ・ロータ型12極18スロット」
 本キットのモータは,省エネ対応の高効率モータとして注目度が高まっている“ブラシレスDCモータ”/“永久磁石同期モータ”に分類されます.
 回転方式はアウタ・ロータ型で,外側の永久磁石を内蔵するカップ状のロータ(回転子)が中心軸と一体で回転し,コイルをもつステータ(固定子)がカップ状の内部で固定される方式です.ロータのカップ状内側に永久磁石が12個貼り付けられています.ステータには,18個のスロット(コイル)付きのコア(電磁鋼板)をもちます.これらにより,“3相PWM 120°矩形波駆動”のインバータ制御を実現しています.
 モータ外形 :φ115.6,長さ102.7
 重量    :約2.4kg
 定格出力  :巻線・結線によりカスタム可能(標準仕様60W)
 最大出力  :150W
【作るポイント】――本キットでは,モータをコイル巻きから組み立てていただきます.標準でφ1.0mmのマグネット・ワイヤ(エナメル線)が付属していますが,求めるトルクや回転数に応じて,巻き方/巻き数を自由に決めることができます.もし,スロットあたり20ターン6直(1相当たり)でコイルを巻き,24VでPWM駆動した場合には,無不可時で約1000rpmで回転します.なお,コイルは何度でも巻き直しができます.

(2) ドライバ基板には「MOSFET(IRFZ48VPBF,IR製)を6個搭載」
 1相あたりMOSFETを2個用いたHブリッジ方式で駆動しています.ドライバ基板からモータにどのような出力波形を出すかは,制御基板からの指令により決まります.
 なお,本キットには駆動用電源は含まれていません.負荷に相応した出力のある安定化電源が必要です.
【作るポイント】――本キットでは,MOSFET,DC-DCコンバータ,ゲート・ドライバIC,ダイオード,抵抗,コンデンサ,スイッチ,コネクタなどを半田付けしていただきます.また,ヒートシンクなど放熱対策を追加強化することにより,駆動能力をアップできます.ドライバ基板にどのような出力波形を出すかは,制御基板からの指令によります.

(3) 制御基板には「V850(μPD70F3374M2GCA,ルネサス製)を搭載」
 制御基板は,ドライバ基板のドータ・ボードとして接続し,インバータ制御を細かくプログラミングできるようにマイコンV850を搭載しています.V850はフラッシュ・メモリ内蔵でプログラムはマイコン内にダウンロードされます.本キットのV850の基本標準ソフトウェアとして,(1)ボリューム可変による回転数変動制御,(2)昇圧型回生,が出荷時に書き込まれています.
【作るポイント】――制御基板は表面実装の多層基板でほぼ完成品で,コネクタのみを半田付けします.コネクタには,ドータ・ボードとして接続用と,ソフト開発環境との接続(E1)用とがあります.

(4) センサ基板には「ホール・センサICを3個搭載」
 ロータの永久磁石の位置を検出するために,ホール・センサICを搭載する基板をモータ本体のステータ(コイル上)に設置します.
【作るポイント】――半田付けと,位置調整が必要です.

(5) モータ固定台
 回転動作を確認,実験するために,専用の固定台を用意しました.

(6) 解説書(CD-ROM付き)
 本キットを製作するための「組み立て解説書」とソフトウェア開発の手順を説明した「ソフトウェア解説書」計約100頁と,モータのコイルの巻き方を示したビデオ画像と,V850に収納されているソフトウェア(一部ソース付き),各基板の全回路図を収録したCD-ROMも添付しています.
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 半田付けの作業経験が少ない方でも,丁寧に作業を進めることで,組み立てることは十分に可能ですが,まったく経験がなく一人で組み立てる自信のない方のために当キットの実習セミナ(CQエレクトロニクス・セミナ)を不定期的に開催しています(年に5回程度).

(7) 部品セットの販売
 当キットの保守用として,部品セットを販売しています.「モータのボビン・コア部だけを追加して購入したい」,「インバータ基板部」だけを購入したい,という方は,この部品セットからご購入いただけます.詳しくはここをご参照ください.

(8) 駆動電源電圧
 当キットのインバータ基板部は電源電圧18V〜32V(DC)に対応した設計です.もしDC12V駆動を中心にするのであれば,キットで使用しているDC-DCコンバータを12V-12Vのものに変更されることをお薦めします.