A-Dコンバータ

 このように,最近の電子機器では多数のセンサから取り込んだ情報をプロセッサで処理して外界の状態を総合的に判断できます.このとき,人間には必要なくて,電子機器には不可欠な存在としてA-Dコンバータがあります.

 単体のセンサデバイスの大部分は,外界の物理量をアナログ的に電気量に変換する働きをもっています.一方,情報を処理するプロセッサはディジタル量だけを扱うので,A-Dコンバータを用いてアナログ量をディジタル量に変換します.

 センサやプロセッサの性能が上がってくると,このA-Dコンバータの性能がシステムのネックになってきます.A-D変換の際に誤差を生じたり,分解能や変換速度などの制限を受けると,せっかくのセンサやプロセッサの性能が生かせません.

 もちろん,センサやプロセッサが高性能化しているのと同じように,A-Dコンバータも高性能化が進んでいます.とくに,コンバータ内部でディジタル信号処理を行って誤差やノイズを抑圧するΔ-Σ型A-Dコンバータの普及により,直流〜数百kHz程度の用途では高分解能,高精度が容易に実現できるようになりました.また,ICプロセスの進歩によりフラッシュ型A-Dコンバータも高性能化,低価格化が進み,数MHz〜数百MHz程度のA-Dコンバータを容易に利用できるようになってきました.

◆ センサで広がる新しい電子機器の世界
◆ 人間の感覚器官とセンサ
◆ A-Dコンバータ

◆ システム全体の高性能化

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Copyright 2001 宮崎 仁