(図4) 郵便配達表の住所を部分に分けた表

- ネットマスク
- 実際のインターネットでは,さきほどのようにサブネットを表す場合,10.0.0.XXのような表現は使われません.すなわち,ネットワークアドレスを使ってサブネットを表すわけですが,
サブネット10.0.0.XXのネットワークアドレスは10.0.0.0
サブネット10.0.XX.XXのネットワークアドレスも10.0.0.0
となってしまい,大きさの異なる2つのサブネットのはずなのに,ネットワークアドレスは同じになってしまいました.これでは,2つのサブネットを使い分けることができません.
そこで,ネットワークアドレスとネットマスクの組によって,サブネットを表現します.ネットマスクのしくみを先ほどの郵便の例を使って説明します.
まず,住所を「都道府県」と「市区町村」と「その他」の部分に分けます.このとき,それぞれの部分がどのような文字でなくてはならないかを考えます.
豊島郵便局の配達表での例を図4に示します.
「東京都豊島区XX」では,都道府県は「東京都」,市区町村は「豊島区」,その他は「XX」となります.このとき「XX」は「なんでもよい」ことを表していました.そして,それぞれの部分が「XX」であるなら“0”,そうでないなら“1”として,3つの1と0の組で,XXであるかどうかを表示することとします.
豊島区の例では,110となります.この組をネットマスクといいます.そして,「東京都豊島区XX」はインターネット的には,ネットマスクを使って「東京都豊島区,ネットマスク110」もしくは「東京都豊島区/110」と表現します.
ある住所が「東京都豊島区,ネットマスク110」に属しているかどうかを調べるには,ネットマスクの1の部分が「東京都豊島区」と一致しているかどうかをチェックすればよいのです.
つまり,豊島郵便局では「東京都豊島区巣鴨1-14-2」と「ネットマスク110」から「東京都豊島区」が得られ,これは先ほどのネットワークアドレスの住所と一致しますので,「東京都豊島区/110」に属していることになります.そして,「東京都豊島区/110」に属している住所への手紙は,配達表に従って配達を行うことになります.
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