TCO削減を狙う
  WTS/WBT登場

 

    NTが実現するホスト/端末ソリューション


 Windows NT Server 4.0にマルチユーザー機能を追加した新しいOSが,米マイクロソフト社からWindows NTの新しいバージョンとして発売されました.コードネーム"Hydra"で知られていたこの製品,正式名称は「Windows NT Server, Terminal Server Edition」(Windows Terminal Server:WTS)です.米国では7月中旬に出荷されましたが,日本でもいよいよ出荷されようとしています.
 WTSによるシステムは,従来のメインフレームやオフコンのように,ホスト-端末型の構成となります.一般的にいうクライアント/サーバー型のアプリケーションでは,クライアント上ではクライアント側のアプリケーションが動き,サーバー上ではサーバー側のアプリケーションが動く,という形ですが,WTSのシステムでは,すべてのアプリケーションの動作はサーバー上で行われ,クライアント側では,画面データ表示と,マウスおよびキーボード操作などの,ユーザーインターフェースの情報のみが扱われます.
 このように,WTSによるシステム構築は,PCの進化に逆行しているかにも見えます.しかし,企業にPCやネットワーク資源が広まり,それらの維持・管理にかかるコスト,いわゆるTCOの削減が企業の課題として取り上げられる今日,このWTSおよび安価な専用端末であるWBT (Windows-based Terminal)がいかなる役割を果たすのか,また日本では普及するのか,注目に値するところです.

 

WTSの基礎知識
実践Windows Terminal Server
MetaFrame(メタフレーム)の機能と特徴
Interview MetaFrameによる
シンクライアント/サーバーシステム利用の実際
専用端末WBT各社の戦略
時代をさかのぼるBackOffice

 

※本誌1998年6月号pp.52-55にも,WTSに関する技術解説記事「Hydraって,何だ!」が掲載されています.お手元にある方は参照ください.


1998年11月号掲載  Copyright 1998-2002 CQ Publishing Co.,Ltd.