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RISCマイコンとしても使えるDSP
Blackfin(ADSP-BF533)活用ハンドブック

堀江 誠一 著
B5変型判 312ページ
CD-ROM付き
定価3,080円(税込)
JAN9784789830898
2005年10月15日発行
[絶版2013.8.10] Blackfin(ADSP-BF533)活用ハンドブック
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.

 本書では,アナログ・デバイセズ社の16ビット固定小数点DSP(Digital Signal Processor)アーキテクチャ「Blackfin」を題材に,その中でも動作周波数750MHzのADSP-BF533について,その構造や使い方を,詳細に解説します.Blackfin は,32ビットRISCマイコンとしても使えるように考えられ,ビデオ信号まで含めた携帯機器用信号処理のために開発されたアーキテクチャです.
 本書付属CD-ROMには,サンプル・プログラム,開発ツール「VisualDSP++」試用版,日本語マニュアルなども収録しています.

目次

まえがき

第一部 初級編

第1章 DSPの世界とBlackfin
 1-1 身近に使われるようになったDSP
 1-2 Blackfinアーキテクチャ
 1-3 BlackfinアーキテクチャとBlackfinプロセッサ

第2章 DSP/RISCプロセッサ ADSP-BF533の概要
 2-1 Blackfinコア・プロセッサ ADSP-BF533の構成
 2-2 Blackfinコアのレジスタ構成とアドレッシング
 2-3 さまざまなペリフェラル機能
 2-4 開発ツール ―― VisualDSP++
 2-5 評価基板「EZ-KIT Lite BF533」の概要
 Column…2-A EZ-KIT Liteの購入

第3章 命令セット
 3-1 レジスタの構成 ―― 演算,ポインタ,インデックス,制御
 3-2 演算命令
 3-3 メモリ・アクセス命令
 3-4 DSPアドレッシング
 3-5 分岐とコール ―― 命令の実行順序を変える非常に重要な命令
 3-6 ループ ―― DSPを特徴付ける重要な機構
 3-7 ビデオ演算命令
 3-8 その他の命令
 3-9 命令のパッキング
 Column…3-A Blackfinで扱うデータ型とデータ・サイズ
 Column…3-B 40ビット・アキュムレータを使うわけ
 Column…3-C DSPでよく使われる偶数丸め
 Column…3-D 飽和処理
 Column…3-E ADSP-BF535の投機的ロード
 Column…3-F 二つの32ビット加算命令

第4章 ADSP-BF533のシステム・アーキテクチャ
 4-1 開発時間短縮,信頼性向上に貢献するバス・アーキテクチャ
 4-2 2種類あるMMR
 4-3 イベント処理 ―― アプリケーション・プログラムの流れを強制的に変更する
 4-4 メモリ階層
 4-5 動的電源管理

第5章 開発ツールとソフトウェアの基礎
 5-1 EZ-KIT Lite版VisualDSP++のインストール
 5-2 統合環境でプログラムを走らせる
 5-3 C/C++言語のコンパイラ,アセンブラ,リンカ
 5-4 ペリフェラルにアクセスする
 5-5 割り込みを使う
 5-6 VisualDSP++のその他の機能
 Column…5-A インストール・ディレクトリ
 Column…5-B ライセンスについて
 Column…5-C 日本語ディレクトリについて
 Column…5-D アノーマリはチェックしてください
 Column…5-E エディタの日本語対応化

第6章 ADSP-BF533の使い方
 6-1 実時間オーディオ処理
 6-2 カプセル化とMCM1836
 6-3 統合開発環境VisualDSP++の諸機能


第二部 上級編

第7章 DMA
 7-1 ADSP-BF533のDMA
 7-2 DMAの基本動作 ―― アドレス・ポインタとカウンタまで単純化
 7-3 割り込みによる転送
 7-4 基本的なDMA転送
 7-5 ディスクリプタによるDMA
 7-6 ディスクリプタのリンク
 7-7 ディスクリプタの配列
 7-8 オートバッファDMA ―― 簡易版の連続DMA
 7-9 二次元DMA
 7-10 UART以外の内蔵ペリフェラル
 7-11 DMAと性能向上
 Column…7-A DMAによるデインタリーブ

第8章 PPI
 8-1 PPIの基本動作
 8-2 汎用入出力 ―― PPIの大きな機能の一つ
 8-3 ITU-R BT656互換入力
 Column…8-A CDPRIO

第9章 アセンブリ・プログラミング
 9-1 行の構造
 9-2 セクション宣言
 9-3 変数宣言
 9-4 大域ラベル
 9-5 試し斬り
 9-6 デュアル演算命令を使う
 9-7 C言語から呼び出す
 9-8 インライン・アセンブラ
 9-9 アセンブリ関数とインライン・アセンブリ命令,どちらを使うか?
 Column…9-A M3レジスタ

第10章 リンカ
 10-1 リンカの機能
 10-2 マクロ定義
 10-3 メモリの分割
 10-4 セクションの配置
 10-5 エキスパート・リンカ ―― LDFファイルを作成する
 10-6 リンクと最適化

第11章 ROM化とブート
 11-1 ADSP-BF533におけるROM化
 11-2 ブート・モードを使うROM化
 11-3 ノーブート・モードを使うROM化
 11-4 ブートとノーブート,どちらのROM化を使うか?

第12章 最適化
 12-1 DSPと最適化
 12-2 C/C++プログラムでの最適化
 12-3 アセンブリ言語による最適化
 12-4 SIMD化
 12-5 メモリ配置と最適化
 12-6 DMAと最適化
 12-7 ビデオ信号処理命令
 12-8 最適化に関する注意
 Column…12-A 演算遅延
 Column…12-B 細かい話
 Column…12-C セッション,ターゲット,プラットフォーム

 付録A DSPの25年
  A-1 ビット・スライス時代
  A-2 1チップDSPの登場 ― AT&TのDSP1,NECのμPD7720出現
  A-3 アーキテクチャの最近の流れ ― キー・テクノロジはマルチメディア処理

 付録B VisualDSP++のインクルード・ファイル
  B-1 defBF533.h
  B-2 cdefBF53x.h
  B-3 def_LPBLACKFIN.h
  B-4 cdef_LPBLACKFIN.h
  B-5 ccblkfn.h
  B-6 sys/exception.h
  B-7 btc.h
  B-8 cplb.h
  B-9 sys/pll.h

 付録C キャッシュとPLLの制御
  C-1 キャッシュの設定
  C-2 PLLの設定
  C-3 New System Component ウィザード

 付録D その他のBlackfinプロセッサ
  D-1 ADSP-BF535
  D-2 ADSP-BF537
  D-3 ADSP-BF561

 付録E CD-ROMの使い方
  E-1 使い方
  E-2 VisualDSP++4.0のアップデートについて

参考文献
索引

●本書付属のCD-ROMについてのご注意
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