Last Update 2021/07/19

複数のLED,7セグメントLED,16×2LCD,大型LCD,キャラクタ/グラフィック蛍光表示管,ニキシ管をマイコンにつなぐためのハードウェアとソフトウェアを解説
マイコンと表示器をつなぐ10の方法

後田 敏/中西 一雄/世古 伸治/長田 直之 共著
B5変型判 312ページ
定価3,080円(税込)
JAN9784789837279
2006年5月15日発行
[品切れ重版未定2021.7.19] マイコンと表示器をつなぐ10の方法
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ重版未定となりました.

 8ビット・マイコンを利用した電子機器では,キー入力,LEDやLCDなどの表示器,モータなどのアクチュエータをつなぐ事例が多くあります.一口にマイコンといっても,種類が違えば命令体系が異なることはもちろんですが,I/Oの駆 動能力および利用できるピン数は,品種によって大きく異なります.利用できるI/Oピンはカタログを見るだけでも見 当はつきますが,I/Oの駆動能力やプログラミングの容易さは,使ってみるまでわかりにくい部分かもしれません.
 本書の前半では,LEDとLCDというベーシックな表示デバイスに対して,PIC,H8,R8C,78Kの4種類のマイコンをつないで,多数のLEDを点灯させたり,4桁の7セグメントLEDをダイナミック点灯させる実用的な応用例を解説します.
 最近,一つのマイコンだけで装置に関わるすべての処理を行うという開発方法より,マイコンを複数使い,メインのCPUの手足になって処理を助けるという使い方が増えています.メインのCPUは能力が高ければ,割り込みを駆使して巧みなプログラムを作成すれば高度な処理を1つでこなすことはできます.しかし,I/Oの数が増えれば,パッケージのピン数が増え,実装コストも上がります.そういう場所では,装置の表示部分だけを8ビット・マイコンが担当するという使い方を採用すれば,デバッグするのも容易になります。そのような利用ができるように,シリアル通信でデータを受けて表示を行う組み込み表示機の製作例を解説します.また,応用例として簡易周波数カウンタを作ります.
 後半では,明るい表示が可能なVFD(蛍光表示管)とニキシ管を取り上げます.主にPICマイコンをつないでコントロールします.7セグメントLEDやLCDと用途は同じですが,明るさや趣に違いがあります.VFDは入手しやすい標準品を取り上げます.駅の案内表示で使われるLEDドット・マトリクス表示器のように明るくて明瞭な表示を,マイコンを使って可能にします.
 ニキシ管の製造はすでに終了していますが,オーディオ用の真空管と同じように,眠っている在庫品が市場に出てきています.表示しているようすは,見ていて飽きないアナログ的な香りがしていやされます.ニキシ管を表示デバイスに使った時計と温度計をPICマイコンでプログラミングします.
目次

はじめに

第1部 LEDを使いこなそう

 第1章 マイコンでLEDを点灯させる方法
  1-1 LEDを点灯させるまでの基本
  1-2 マイコンのI/O駆動能力について
  1-3 ポピュラなPIC16F84Aマイコンを使う
  1-4 PIC16F628A/16F648Aマイコンを使う
  1-5 R8C/15マイコンを使う
  1-6 78K0S/KA1+マイコンを使う
  1-7 H8/3694Fマイコンを使う

 第2章 各種マイコンでLEDを点灯してみよう
  2-1 PICマイコンを使ってLEDを点灯
  2-2 R8C/15マイコンを使ってLEDを点灯
  2-3 78Kマイコンを使ってLEDを点灯
  Column…2-1 点灯できるLEDを増やす
  Column…2-2 PIC実験回路2の方式でColumn2-1よりさらにLEDを増やす
  Column…2-3 開発ソフトでトレース機能を使う
  Column…2-4 ターミナル・ソフト画面に入力した文字が表示されない

 第3章 7セグメントLEDの点灯
  3-1 7セグメントLEDによる表示の基本
  3-2 PICマイコンで7セグメントLEDを使う実験
  3-3 R8C/15マイコンで7セグメントLEDを使う実験
  3-4 78Kマイコンで7セグメントLEDを使う実験
  3-5 H8/3694Fマイコンで7セグメントLEDを使う実験
  Column…3-1 USB-シリアル変換ケーブル

 第3章 Appendix A 7セグメントLEDをより活用するために
  A-1 4桁7セグメントLEDの製作
  A-2 7セグメントLEDの調査
  A-3 周波数確認用の信号発生回路
  A-4 1kHz測定で周波数誤差が大きい
  A-5 65kHzを超えると周波数誤差が大きくなる
  A-6 78Kマイコンの内蔵発振回路を使った簡易周波数カウンタ

第2部 LCDを使いこなそう

 第4章 小型LCDモジュールの制御
  4-1 LCDモジュールのマイコンとの接続
  4-2 PICマイコンによるシリアル通信とLCD表示
  4-3 R8C/15マイコンによるシリアル通信とLCD表示
  4-4 H8マイコン基板によるシリアル通信とLCD表示
  4-5 78Kマイコンによるシリアル通信とLCD表示
  Column…4-1 秋葉原のATラボラトリについて
  Column…4-2 78Kマイコンの自作書き込み器
  Column…4-3 独断と偏見で見るマイコンの違い

 第5章 大きな画面のLCDとの接続
  5-1 ITC-6448AX LCDモジュールを使う
  5-2 コマンド仕様について
  5-3 LCDを使ってみよう

 第6章 横長7インチLCDを使った表示器の製作
  6-1 中古液晶パネルの購入時の見極め方
  6-2 中古ならではの注意すべきポイント
  6-3 7インチ・ワイド液晶パネルの改造
  6-4 よくある質問&トラブル対策

第3部 VFDを使いこなそう

 第7章 5×7ドットVFDキャラクタ・モジュールでラーメン・タイマを作ってみよう
  7-1  VFDモジュールSCK20025-W1J-Aの概要
  7-2 ラーメン・タイマの部品構成と接続
  7-3 ラーメン・タイマのプログラムの構成
  Column…7-1 一般的なLCDモジュールとの相違点と使用上の注意

 第8章 VFDグラフィック・モジュールを使った時計付きディジタル&アナログ温度計の製作
  8-1 SCK140X32F-7000-Aの概要
  8-2 時計付き温度計の構成部品
  8-3 表示イメージと動作
  8-4 制御プログラムの概要とポイント

 第9章 アクティブ・マトリクスVFDによる時計表示
  9-1 アクティブ・マトリクス蛍光表示管キットSCK12832GB-Aの内部構成
  9-2 時計動作をするプログラムの詳細
  9-3 ほかのマイコンにもつないでみた
  Column…9-1 アクティブ・マトリクス蛍光表示管とは
  Column…9-2 リアル・タイム・クロック(RTC)とは

 第10章 漢字キャラクタ評価VFDモジュール・キットの制御
  10-1 SCK161LB-Aキットの特徴
  10-2 SCK161LB-Aを制御するプログラムの詳細
  Column…10-1 シフトJISコードで漢字を表示
  Column…10-2 SCK161LB-Aのファームウェアの変更
  Column…10-3 シリアル転送機能USART

第4部 Nixieを使いこなそう

 第11章 ニキシ管の時計への利用
  11-1 ニキシ管はどういうもの
  11-2 ニキシ管の点灯方法
  11-3 6本のニキシ管を使った時計を作ろう

 第12章 ニキシ管を使った温度計を作ろう
  12-1 温度計の表示桁数と使用するパーツ
  12-2 PICにつなぐ温度計とドライブ回路
  12-3 温度計のプログラム

 索引