Windows Vistaではセキュリティ上の問題から、ネットワーク周辺に関して標準設定の状態ではさまざまなアクセス制限がかかっています。
Interface2008年9月号付属ColdFireマイコン基板では、ネットワーク経由でのアクセスが必要なのですが、標準設定のWindows Vistaではこの制限により、うまくアクセスできない場合があります。
(説明中の図は,ダブル・クリックで拡大します.)
●PINGが通らない?
Windows VistaではPINGすら通らないと言われることがあります。たしかに、Windows Vistaマシンの外からPINGを打っても、VistaマシンはPINGを返してきません。
しかし、Windows VistaマシンからPINGを打つ分には、図1に示すように正しくPINGが返ってきたことを表示します。

図1 PINGが返ってくる
●TFTPコマンドがない?
Windows Vistaは標準の状態では、図2に示すように、TFTPコマンドが使える状態になっていません。これはTFTPコマンドが入っていないのではなく、セキュリティ上の問題から使用できない設定になっているだけで、次に説明する設定を行うと使えるようになります。

図2 FTPコマンドが使えない状態
まず、コントロールパネルの中から図3のように「プログラムと機能」を選択して起動してください。すると図4のような画面が起動するので、左側にある「Windowsの機能の有効化または無効化」を選択してください。
するといったん図5のような表示のあとに、図6のような画面が表示されるので、スクロール・バーを移動して「TFTPクライアント」にレ点をつけて、「OK」をクリックしてください。
すると図7のような表示が出た後、TFTPコマンドが使用可能な状態になります。図8に示すように、無事にTFTPコマンドが使用可能な状態になります。

図3 「プログラムと機能」を選択して起動する

図4 左側にある「Windowsの機能の有効化または無効化」を選択する

図5 「Windowsの機能の有効化または無効化」の画面

図6 「TFTPクライアント」にレ点をつけて、「OK」をクリックする

図7 設定中の画面

図8 FTPが使用可能な状態になる
●TELNETクライアントも装備
同様に、図9に示すようにTELNETクライアントも標準の設定では使用できません。こちらも同様に「コントロールパネル」→「プログラムと機能」→「Windowsの機能の有効化または無効化」を起動し、図10の画面で「TELNETクライアント」にレ点をつけて「OK」をクリックしてください。
TELNETクライアントの起動は、図11のようにIPアドレスを指定して起動してください。すると図12のように起動します。図12はdirコマンドを実行した様子で、ファイル一覧の中に図8で転送したa.txtが表示されているのがわかります。

図9 TELNETクライアントも標準の設定では使用できない

図10 「TELNETクライアント」にレ点をつけて「OK」をクリックする

図11 IPアドレスを指定して起動する

図12 dirコマンドを実行した画面
以上の説明はWindows Vista Home Premiumで,Administrator権限のあるユーザでログインしたときの動作なので、Vistaのほかのバージョンでは動作が異なる場合もあるかもしれません。
なお、Windows2000およびWindows XPのどちらも、TFTPコマンドおよびTELNETクライアントはOSに標準で用意されています。また、上記のような設定変更をせずとも、すぐに使える状態となっています。