オンラインコラム
 01 02 03 04

宝の山ジャンク・イメージ パソコン捨てる者あれば、拾う者あり
           〜リサイクル(リユース)してしまおう!〜  

                            椙田 訓好
 私はここ数ヶ月、パソコンをより長く使うために、人の捨てたいらなくなったパソコンをこそこそと日々探し歩く毎日を過ごしている。また、事あるごとにほうぼうに声をかけ、不要なパソコンを手に入れてきた。おかげで私の手元には、CD-ROMドライブやFDドライブの外された惨めな姿のパソコンが山積みになっている。

 初めて私の部屋に来た者には、どうだ「宝の山だろう」と言うが、賛同する御仁も少ない。しかしながら、ここ数ヶ月で再生したパソコンは数台を数え、中には既に数ヶ月ノンストップで動き続けるDX4/100MHzのメールサーバなどがある。とにかく、捨ててあるジャンクパーツはまったくジャンクでないわけで、それを見分けるには、ある程度知識も必要になってくるのである。

 そこで、ジャンクを拾うこつ、拾ってどうするか、どのような利用が考えられるかなどを紹介したい。


■  ■  ■

どんなマシンが使えるのか

 さて、近辺を見回して見よう、捨てるには忍びがたいマシンがいくつか転がってはいないであろうか。実は私の職場にも、リースを終え、かなり昔から捨てずに取ってあるPC9801UXが5台ほど転がっている。他にも20年前のSORDやかつてNetwareサーバで使ったAXマシンの残骸等がある。これらのマシンは色々再利用を考えてみたのだが、未だに使い道はない(ただ、PC98のCバスに差さっていた4MのEMSメモリとネットワークボードそれに電源は他のPC98で使っている)。

 これらの機械はおそらくその役目を十分に果たしたと言って良いのかもしれない。「もしかして、我慢して捨てずに取っておいたら、後で役に立つかも?」なーんて考えたりもするが、難しいところである。しかし捨てるには惜しい。

 それでは、今にも捨てられそうであったり、既に放置されたパソコンで、いったいどれ位までの物が直ぐにでも使える物なのか、考えてみる。

 おそらく、DOS/V系のマシンはかなり古くても、相当使い道があるのではないだろうか。特にCPUが取りあえずDX4/75MHz以上あれば十分にそのままでも使えると思う。仮に壊れていたとしても、内部のメモリや、ISAやPCIバスにこっそり差さっている各種カードは文句なしに使えるはずである。電源だけでも良い、どこか動きそうな所をチェックしてみる価値は十分にある。

 つい最近私はペンティアム75MHzメモリ16Mのノートパソコンを5000円強で手に入れた。同時期にDX4/100MHzメモリ16MのデスクトップパソコンをCD-ROMドライブなしで500円で手に入れ使っている。使ってみると、これらは十分に実用になるわけで、随分工夫して、なんと400MHzクラスのマシンより立ち上がりだけは速くなってしまった。

Macの場合

 自分で言うのもおかしいが、私はMacintoshについてはかなり、「通」である。現在自宅に4台の稼働可能なマシンと1台のジャンクを持っている。Macintoshの場合その先進的OS故、現在でもすべてのマシンが実用で使え、捨てるところはない(誉めすぎかもしれないが)。スピードは、どのマシンでも、まーどうにか我慢のできるスピードであり。なんと、10年近く前に出荷されたMacintoshLCとか、IIci、IIcXでもきちんとモデムとLANどちらでもインタネット接続が可能で、NCSA MosaicでインターネットHPを閲覧することすら可能なのである。ちなみにその頃のマシンでも複数のディスプレィを繋げて仮想大画面を設定できた。Windowsマシンではつい最近のことではなかったかなと思う。

 それから、古いマシンのMacOS(7.0E以前)は無料で提供されている。だから、不要なMacintoshについては、見つけたら直ぐに手に入れるか拾うべきである。ちなみに最近手に入れたLCは、マザーボードを見ると明らかに水没をした後が見られ、未だに泥水の付いた後がある。幸い腐食は見られなく、一時水没により動作しなくなり、前の持ち主が廃棄した物と考えられる。なんとLCスロット用ネットワークカードが差さっており、そのカードだけでも貴重である。HDはすべてSCSI接続であり、最近のUSBを備えたMacにはなくなってしまったが、SCSIインターフェイスは標準装備である。アップルトークというネットワークも何の追加装備もなく標準で組むことができる。

使う目的を考える

 さて、取りあえずは古いDOS/Vマシンについて、手に入れてどうするかと言うことになるのであるが、まず、CPUがDX4/75MHz以上で、メモリが16M以上あればWindows95マシンとして十分に使えそうである。先日私が職場の事務室に献上したマシンは、まさにこのスペックですべての事務処理をこなしている。ただ、HDの大きさが極めて小さかったので、ネットワークで接続したマシンのHDを共有化して使用している。HDの共有については、情報の共有と言う意味で有効である。また、ネットワークを利用していることによって、ネットワークプリンターやFax等の利用が可能で、ロースペックマシンでもあまり不自由は感じていないようすである。

 当たり前だが、ロースペックマシンは一般的な使われかたをしていて、スピード面で不自由さを感ずるようになったがために廃棄されるのであろうが、ネットワークを利用することによって、使用感を向上させる可能性はある。また、サーバとして使用することもできるし、思っていたよりロースペックのマシンが機能する場合は多い。


Win95か98か、はてはLinuxか

コラム1 
 4月1日家電リサイクル法スタート

 家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)が4月1日から施行された、この直前の3月下旬、何故か洗濯機と冷蔵庫、エアコンそしてテレビが燃えないゴミとしてほうぼうのゴミ集積所に置かれていた。実はそう言う私も十数年前に購入したちょっと写りの悪くなっていたカラーテレビをここぞとばかり、少々浮かぬ気持ちで集積所に運んだ1人でもある。
 この家電リサイクル法、施行されるにあたってテレビ、洗濯機、冷蔵庫、エアコンが何故かそのターゲットになったわけであるが、パソコンについてもその審議の中で寿命の短さなどから、リサイクルが計られるべき家庭電気製品として注目されていたのをご存じであろうか。ちなみにパソコンは平均してどの程度の期間有効に使われているかと言うと、まー短い物で数ヶ月、長い物でも5・6年と言ったところであろうか。とにかく、電気製品としては異常に短い寿命なのである。
 家電リサイクル法は取りあえず4品目に限っているが、いずれパソコンも含められる可能性は強い。しかし、市町村の資源回収能力等を考えると、この4品目に限定されたのはやむを得ないことらしい。
 なお、同じく4月1日に施行された改正リサイクル法(資源有効利用促進法)では、事業系のPCや2次電池について、PCメーカーに自主回収および再資源化が義務づけられている。
 と言うことは、個人事業者以外の家庭でのパソコンはやはり、それに当てはまらないわけで、今までどおり燃えないゴミや粗大ゴミに当たるのである。もったいないことである。

 普通DOS/Vマシンでロースペックの物は、Win95辺りをOSとして動かしても取り敢えず使用できるわけだ。その他にも冒頭に書いたように私はDX4/100MHzのマシンにメモリを32M載せ、メールサーバ、Webサーバ、DNSサーバとして使用している。最初少々不安もあったが、サーバとして利用する場合、Linuxをインストールし、X-Windowシステムは必要としないので、マシンにかかる負荷はかなり軽いものである。ただ起動に少々時間が掛かるのが難点であると思っていたが、再起動は殆ど行われないので、今のところまったく問題はない。強いて言えば、古いマシンは540M以上のハードディスクを認識しない可能性があるので、HDがクラッシュしたときのために540Mとか340Mのハードディスクを1台か2台ストックしておく必要がある。これは、既に新品は手に入らないので、不要になった程度の良さそうな物を見つけてくるか、大きいサイズのHDのパーテーションを切り直すか、HDを積んだペンティアム100MHz以下のロースペックのマシンを見つけて来るしかない。HDを手に入れるためにジャンクマシンを買ってくると言うのも変な話だが。

 さて、現在稼働しているDX4/100MHz Linuxマシンのレスポンスはどんな物かというと、正直言って、以前クラッシュしたマシンがAMD-K6-2/266MHzマシンであったのにも関わらず、まったく引け目を取らない役割を果たしている。むしろ以前よりメールサーバを利用する人数は確実に増えている。ちなみに現在40人分のメールアドレスを管理し、Web、DNSとして活躍している。ただ、いつクラッシュしても良いようにバックアップを考えておかなければならない。

 他にサーバと言うと最近すっかりマイナーになってしまったNetwareサーバへの利用も考えられる。私が管理しているNetwareサーバは現在6年ほど動き続けているが、確かペンティアムの160MHzか何かだったと思う。RAIDでHDを3台載せているおかげでクラッシュ時も対応できるのだが、これだけのスペックでファイルサーバとしては高速でまだまだ使える。ちなみに100台のクライアントがこのサーバを利用している。トラブルは幸い一度も発生していない。ちなみに一番Netwareサーバが活躍するときは、コンピュータ実習室マシンHDのバックアップと復旧である。FDに起動スクリプトと復旧用バッチを準備し、自動的に復旧させることができる。まるまるHDを書き換えるが、かなり高速である。


 CQ出版 TOP OPENDESIGN TOP
 
Copyright CQ Publishing Co.,Ltd. 1997-2003