SH-2のしくみからMP3プレーヤなどの製作事例まで
SH-2マイコンで学ぶ組み込み開発入門
Interface編集部 編
B5判 232ページ
定価2,420円(税込)
JAN9784789849937
2009年3月1日発行
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組み込みシステム開発を始める第一歩として,ルネサス テクノロジ製SH-2シリーズで最も使われている32ビットマイコン「SH7144」を取り上げ,SH-2マイコンのしくみからMP3プレーヤなどの製作事例などを解説する.ハードウェア構成からプログラミング方法まで取り上げており,組み込み開発を始めようとしている方にお勧めの一冊である.
本書の前半では,SH-2シリーズの概要からソフトウェア開発ツールのインストール方法,SH7144内蔵周辺機能の使い方を解説する.後半では,Interface本誌2006年6月号付属SH-2マイコン基板を使った応用アプリケーションの製作事例を紹介する.なお,Interface本誌2006年6月号付属SH-2マイコン基板と同じ仕様のCPUカードは,「SH-2リピート基板」として現在でも購入できる.
目次
アマチュア・レベルでもよく使われる人気のマイコン
プロローグ SH-2マイコンを使おう!
コラム1 本書で解説しているプログラムの入手方法
第1部 SH-2マイコンのしくみ
第1章 SH-2マイコン基板で始める組み込みマイクロプロセッサ入門
1.SH7144Fを搭載した4層基板
2.32ビットRISCプロセッサを搭載
3.周辺回路部品までこだわった設計
4.すぐ動かせる基板として提供
5.簡易データ・ロガーとして動作
6.拡張性,アプリケーションにも配慮
7.それでは始めよう――まずはジャンパ・プラグ,ピン・ヘッダの実装
8.サンプル・プログラムを動かしてみよう――パソコンのCOMポート(RS-232-C)に接続
今からでもSH-2マイコン基板が手に入る!
Appendix SH-2マイコン・リピート基板について
SH-2マイコン基板に搭載されているCPUの位置付けを知る
第2章 SuperHファミリとSH-2のポジション
1.32ビットSuperHプロセッサの特徴
2.SuperHプロセッサの展開――コントローラ(SH-1,SH-2)とプロセッサ(SH-3,SH-4)
3.コントローラ系プロセッサのロードマップ
4.汎用コントローラSH7044/7045の後継ライン――低電源電圧化,高速化を実現したSH7144/7145
5.SH7044/7045シリーズと完全互換ではない――モジュール・スタンバイ機構,H-UDI,AUDなど
コラム1 SH-5は出ない?!
CPUの構成を理解してハードウェアをマスタしよう
第3章 SH7144F/7145Fのアーキテクチャと内蔵周辺回路
1.SH7144F/7145Fのラインナップ
2.SH7144Fシリーズの内部バス構成とパッケージ・ピン配列
3.SH7144F/7145Fの内部ブロックと内蔵周辺機能
4.SH7144F/7145Fの端子機能と動作モード
5.外部バス・サイクルとメモリ回路設計
6.クロック回路の検討
回路設計のトラブルに巻き込まれないための
第4章 マイクロプロセッサ周辺回路の設計――電源,クロック,リセット回路
1.システムの信頼性を左右する電源回路,リセット回路,クロック回路
2.SH-2マイコン基板の電源容量の見積り
3.SH-2マイコン基板の電源回路と電源レギュレータADP3338
4.ADP3338電源回路と消費電力の検討
5.SH7144FのパワーONリセット回路
6.SH-2マイコン基板のリセット回路とリセットIC ADM809
7.ADM809のしきい値の選択
8.リセット回路はマイクロプロセッサの安全な離陸を保証する
9.SH7144Fのクロック回路の設計
10.表面実装型12MHz水晶振動子TSX-4025の仕様
11.慎重な検討を要するチップ型水晶振動子回路の設計
12.量産に先立ち発振回路の評価を依頼
13.「接続すれば発振する」は通用しない
コラム1 基板上の水晶発振回路の評価結果
SH-2マイコン基板のソフトウェアを開発するための準備
第5章 開発ツールのインストールとその使い方
1.無償評価版開発ツール
2.無償版開発ツールの入手方法
3.統合開発環境HEWのインストール
4.フラッシュ開発ツール(FDT)のインストール
5.演習プログラムのダウンロード
6.HEWを使って演習プログラムをコンパイルする
7.FDTを使って演習プログラムをSH-2マイコン基板に書き込む
8.HEWによるオリジナル・プログラムの開発
コラム1 SuperHの開発環境とツールの選択
入力装置からのデータを受けて出力装置を動かすしくみ
第6章 SH7144Fの入出力インターフェースとGPIOプログラミング
1.組み込みシステムの入出力インターフェース回路
2.SH7144F内蔵の汎用入出力ポートとアドレス・マップ
3.SH7144F内蔵のI/Oポート
4.ポートE15に接続したLEDを点滅――入出力ポートの初期化
5.ポートE15に接続したLEDの点滅プログラミング
コラム1 入出力に関する二つのコンピュータ・アーキテクチャ ――I/O空間とメモリ・マップトI/O
RS-232-Cポートを使ってシリアル通信を行おう
第7章 シリアル通信インターフェースのプログラミング
1.SH7144Fのシリアル通信インターフェース
2.シリアル通信インターフェースの制御レジスタ
3.シリアル通信インターフェース回路の設計
4.シリアル送信プログラムの作成
8チャネルのデータ・ロガーを作ってみよう
第8章 A-D変換回路とプログラミング
1.SH7144Fの内蔵A-D変換回路――8チャネル10ビット分解能
2.A-Dコンバータが備える3種類の動作モード
3.A-D変換動作のトリガ・モードと変換タイミング
4.A-D変換のタイミング・チャート
5.A-D変換回路の変換特性と設計上の配慮
6.簡単なA-D変換プログラム
コラム1 A-Dコンバータの分解能と精度
モータ制御に必要なPWM制御信号を取り出せる
第9章 豊富な機能と性能を備えたカウンタとタイマ機能
1.CMTとその動作
2.CPUを監視するWDTの機能
3.MTUの機能
4.モータのエンコーダ信号処理に威力を発揮
5.位相係数プログラムを実行してみよう
緊急度を判断し,処理の後始末も行う
第10章 割り込み処理のプログラミング
1.コンピュータの割り込み処理
2.割り込みベクタ・アドレス,割り込み優先順位
3.割り込みと例外処理のしくみ――例外処理ベクタ
4.割り込みプログラミングの実際
第2部 製作事例で学ぶSH-2マイコン開発技法
波形メモリ音源を使う
第11章 電子オルゴールの製作
1.音を鳴らすということ
2.オルゴールの構成――回路からソフトウェアまで
3.電子オルゴールのプログラム
4.いざ工作――部品集めとはんだ付け
5.プログラムのビルドの手順
6.内蔵フラッシュROMに書き込む
7.電子オルゴールで音楽を聞いてみよう
約5万円で組み立てられる
第12章 遠隔操作できる車輪機構の製作
1.車輪機構の構成と電子部品
2.製作――エレクトロニクス編
3.製作――機構編
4.いざ,走行!!
コラム1 XPortの使い方
ちょっと高度な制御に挑戦
第13章 フィードバック制御による倒立ロボットの製作
1.制御アルゴリズムを考える
2.制御に必要なパラメータを得るには
3.具体的なモータの制御方法
4.PUPPYとSH-2マイコン基板を接続する
コラム1 PUPPYについて
MP3デコーダVS1011とProDigioで実現する
第14章 SH-2マイコン基板でMP3プレーヤを作ろう
1.どうやってMP3を再生するのか
2.デコーダの制御とMP3ファイルの取り扱い
3.ハードウェア部の作成
4.VS1011の使い方
5.SH-2をI2Cのスレーブ・デバイスとして設定する
6.ProDigioボードからSH-2マイコン基板へのMP3データ転送
7.MP3プレーヤで音楽を聴く
マイコンとアンプを使ってLEDを制御する
第15章 クリスマス・イルミネーションを作ろう!
1.イルミネーションを作ろう
2.イルミネーションの構成
3.イルミネーションの主役――LED
4.アンプ――モータ・ドライバを選ぶ
5.イルミネーションを作ってみよう
6.完成――仕上げが大事
SH-2/V850マイコン基板で動作する
第16章 浮動小数演算プログラムの作成
1.浮動小数点演算の実際
2.ライブラリ一覧
3.ライブラリおよびテスト・プログラムの作成
4 パソコン上で動作を確認
SH-2マイコン基板を120%使いこなすために
第17章 SH-2マイコン基板用JTAGデバッガ登場!
1.JTAGデバッガとは
2.接続ケーブルとJTAG信号の接続
3.キー・コードの設定
4.JTAGデバッガの使い方
5.本ツールの使用上の注意
PizzaFactory3からデバッグしよう!
第18章 Eclipseと実機ターゲット・ボードのJTAGデバッガによる接続事例
1.EclipseにおけるC言語クロス開発環境の現状
2.PizzaFactory3のデバッグ環境
3.シミュレータでのデバッグ方法
4.実ターゲットでのデバッグ方法
コラム1 DSDPプロジェクト
コラム2 ビュー,パースペクティブ,ワークスペース
コラム3 ブレークポイントを実現する二つの方式
ネットワーク機能とストレージ機能を追加する
第19章 SH-2&V850付属基板対応拡張ベース・ボードの設計
1.拡張ベース・ボードのコンセプト
2.拡張ベース・ボードのハードウェア〜メモリ・マップ〜
3.CPLDに実装したアドレス・デコーダやステート・マシン
4.LANコントローラ周辺の設計
5.CompactFlashカード・コントローラ周辺の設計
6.MMCカード・コントローラ周辺の設計
7.USBターゲット・コントローラ周辺の設計
ユニバーサル・カードを使って外部16ビット・バスのCPUを接続
第20章 組み込みシステム開発評価キットにSH-2を接続する
1.ユニバーサル・カードの活用
2.32ビット・ローカル・バスのBLANCAと外部16ビット・バスCPUの接続
3.サンプル・プログラムの移植
4.16/32ビット・バス・ブリッジ動作の問題点
コラム1 ほかにもCPUが続々つながる!?