産業界ですぐに役立つ技術を身につけよう
SH-2Aマイコン組み込み技術講座
江崎 雅康 著
B5判 256ページ
CD-ROM付き
定価2,640円(税込)
2011年8月1日発行
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.
本書の主たる目的は組み込みソフトウェアの基礎から中級程度の内容を解説することです.単なる解説ではなく各章ごとに汎用I/Oポートの使い方から順に演習形式で解説してあります.開発ツールHEWやFDTのインストールからコンパイル,リンクの操作に慣れ,演習プログラムの各行の意味を読み解くことで,大部分の学習は可能です.
本書のために用意したSH-2A搭載の教育&開発プラットホーム基板CQK-SH2Aを使えば,USBエミュレータE10A-USB相当のH-UDIハードウェア・デバッグの演習ができます.「32ビットRISCプロセッサによる組み込みの入門書にする」,「産業界の開発現場で使われている開発環境を使う」,「プログラミング演習だけでなく,産業界で使われているツールを使ったデバッグ演習もできる」点を留意しています.
目次
プロローグ 社会の隅々で使われている組み込み技術
第1章 開発ツールのインストールとその使い方
1.1 SH-2A の教育・学習用ツールの選択
1.2 開発ツールのインストールと演習プログラムのコピー
1.3 プロジェクトの作成とビルド
1.4 プログラムのダウンロードと実行
1.5 付属CD-ROM に収録された演習プログラムの使い方
1.6 H-UDI エミュレータを使ってRAM 上でプログラムのデバッグを行う
コラム1.1 新規プロジェクト作成で入力したプログラムの解説
コラム1.2 SH7285 マイコンのモード設定
第2章 SH7285 の入出力インターフェースとGPIO の使い方
2.1 組み込み機器の入出力インターフェース回路
2.2 I/O ポートによるLED ランプの点滅やスイッチ入力の準備
2.3 I/O ポートの演習プログラム
2.4 課題プログラム
コラム2.1 レジスタ定義ファイル「iodefine.h」
第3章 H-UDI によるデバッグの方法
3.1 組み込みシステムの品質を決めるデバッグ
3.2 H-UDI の概要と設定,接続方法
3.3 E10A-USB(相当)によるデバッグ方法
3.4 E10A-USB(相当)によるデバッグ時の確認事項
コラム3.1 スタック解析,プログラム・トレース
コラム3.2 HEW が自動生成するプログラム
コラム3.3 ソフトウェア・ブレークとハードウェア・ブレーク
コラム3.4 ちょっと気になる警告(Warning)
第4章 シリアル通信制御プログラムの作成
4.1 調歩同期式シリアル通信RS232C のしくみ
4.2 SH7285 内蔵SCI のしくみと制御プログラム
4.3 シリアル通信インターフェースの演習プログラム
コラム4.1 シリアル-USB 変換ケーブル用のドライバのインストール
コラム4.2 通信ソフトウェア(ハイパーターミナル)の設定手順
第5章 数や時間を計測するカウンタ/タイマの使い方
5.1 カウンタ/タイマのしくみと機能
5.2 SH7285 のCMT のしくみとプログラミング
5.3 高機能タイマ・ユニットMTU2 の使い方
5.4 カウンタ/タイマの演習プログラム…タイマ,時間計測,PWM 制御
コラム5.1 HEW でprintf を使えるようにする
第6章 C による割り込みプログラムの記述方法
6.1 割り込み処理のしくみ
6.2 レジスタ・バンクによる高速割り込み処理のしくみ
6.3 C コンパイラによる割り込み処理のしくみ
6.4 割り込み優先度の設定
6.5 C による割り込みプログラムの書き方
6.6 割り込みの演習プログラム…スイッチ,シリアル受信,送信,タイマなど
コラム6.1 SH7285 のレジスタ・バンクを使うには
コラム6.2 文字列の受信を割り込みで処理する場合にリング・バッファを使う
第7章 アナログ信号を取り込むA-D 変換の使い方
7.1 A-D 変換の分解能
7.2 A-D 変換における量子化誤差
7.3 A-D 変換の方法
7.4 SH7285 に内蔵されているA-D コンバータ機能
7.5 A-D コンバータの動作手順
7.6 A-D 変換の演習プログラム…電圧入力表示,温度センサによる測定表示など
コラム7.1 A-D コンバータの誤差
第8章 アナログ音声をPWM 出力する方法
8.1 サンプリング周波数とアナログ出力信号の滑らかさ
8.2 量子化ビット数とアナログ音声信号の再現性
8.3 PWM によるアナログ音声出力の演習プログラム
第9章 リアルタイムOS TOPPERS/ASPを使いこなそう
9.1 TOPPERS/ASP はオープン・ソースのITRON 系RTOS
9.2 RTOS を使いこなす必要性
9.3 アプリケーションを構成するために必要なファイル
9.4 マスタ・ワークスペースを用意
9.5 演習プログラム…TOPPERS/ASP でRTOS の使い方を学ぶ
コラム9.1 HEW デバッガのOS サポート
コラム9.2 コンテキスト
第10章 組み込みシステムのEthernet通信技術
10.1 物理アドレスと論理アドレス
10.2 インターネット接続のプロトコル…IP とTCP
10.3 TOPPERS/ASP に実装されたTCP/IPプロトコル・スタックTINET
10.4 通信端点とTCP 受け付け口
10.5 TINET のカスタマイズ
10.6 組み込みマイコン基板とパソコンのつなぎ方と設定
10.7 組み込みネットワークの演習プログラム
第11章 Windows 互換の組み込みストレージ技術
11.1 本章で演習に使うSD メモリーカードのしくみ
11.2 ファイル・システムFatFs
11.3 FatFs プログラミング
11.4 ファイル・システムを組み込み機器で使うための演習
第12章 簡易型Web サーバの作成
12.1 簡易型Web サーバのしくみ
12.2 組み込みマイコン学習の総仕上げとしての演習
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