一方,直接的にはどうしても出力が得られないような対象に対しては,間接的に測る方法が考えられる.たとえば,真黒な材料の光の透過率を測るためには,これまでは,それをできるだけ薄く半透明になるまでスライスして透過率を測り,そのときの厚さでノーマライズする方法がとられてきた.しかし,スライスできる薄さにも限度があり,また,こういった試料を破壊して測る方法は,科学計測においてはとくに嫌われる.
このような方法は,ハイフネーティッド(ハイフンで二つの計測法が結ばれるから.この例では,光-熱,あるいは光-音響)計測法と呼ぶことができる.上の例では,測定波長を変化させていき,普通の計測法では測ることができない真っ黒な物質の色(もっとも,可視域ではなく赤外のスペクトル)を計ることができる.これを光音響分光法と呼ぶ7). ![]() 参考文献 7) 沢田嗣郎,『光音響分光法とその応用』−PAS,学会出版センター 5月号特集トップページへ戻る Copyright 2001 河田 聡 |