Oracle OpenWorld 2000

■開催場所：東京ドーム ■開催日時：2000/12/14～15

データベースを始めとしたe-ビジネスのソリューションを提供する日本オラクル(株)主催によるOracle OpenWorld 2000が12月14～15日の2日間に渡って開催された．このイベントでは，Oracleの新プラットフォームOracle9iの発表，および同プラットフォームを基にしたSCM (Supply Chain Management：資材の調達から製品在庫の管理までを統合的に管理するシステム) ，ERP(Enterprise Resource Planning：企業資源計画)， CRM(Customer Relationship Management ：顧客データベース一貫管理システム)ソリューションを提供するベンダの製品展示が行われた．以下出展されていた製品をレポートする．

● 日本オラクル，Oracle9iを発表

日本オラクル(株)は，データベース管理システムにインターネットを介したトランザクションを処理するアプリケーションサーバを組み合わせたe-ビジネスプラットフォーム Oracle9iを発表した．Oracle9iはデータベースサーバOracle9i databaseとアプリケーションサーバOracle9i Application Serverで構成される．

Oracle9i Database

従来のデータベースクラスタリング機能はノード数の増加に従ってノードあたりの性能に劣化が生じていたが，Oracle9i DatabaseはOracle8iからサポートされたキャッシュフュージョンアーキテクチャに基づくクラスタリング機能Oracle Real Application Serverにより，ノード数に正比例した性能を確保することが可能となった．

Oracle9i Application Server

Oracle9i Application Serverには新開発のキャッシュ機構Oracle Web Cacheが搭載される．これはOracle 9i Databaseと連携して静的コンテンツのみならず，動的コンテンツのキャッシュも可能とするもので，e-コマースのようなデータベースの検索・更新が頻繁に行われるようなサイトでの効果が期待される．

● 製造業向け統合ソリューションOracle i-Manufacturing

日本オラクル(株)のOracle i-Manufacturingは，製造から販売までをOracle9i を用いて統合管理するe-ビジネススイート．これにより，例えば製品在庫が不足した場合，製造過程にまでさかのぼって検索することが可能になるだけでなく，代替部品の発注までをも統合管理することも可能となる． i-Manufacturingには業種別テンプレート(電機・電子/半導体/自動車/建設/造船 /石油など)が用意されており，業種に密着したソリューションが提供される

● 動態管理パッケージEF-One

(株)エフジェネックスによる動態管理パッケージ (写真)．

GPSユニットを接続した携帯情報端末から位置情報を取得してサーバへ転送，地図データベースと顧客データベースを用いて，問い合わせ顧客に最も近い営業/保守要員を派遣するシステム．ブースではCASIOPEIA(WindowsCE)を用いた製品を展示していた．
同システムにはOracle 9i Application Server Wireless Editionが使用されている．

● 総合出張管理システムJ's NAVI for Web

JTB及び日製ソフトウェア(株)による出張管理システム．出張申請と同時に出張チケットを始めとした各種予約が可能で，後日の利用明細・清算までをも一元管理することができる．

● Oracle実用ライブラリ

(株)メトロシステムズによる，Oracle製品に関するノウハウをCD-ROMで提供するドキュメンテーション．インストール手順，データベース運用，チューニング，データベース物理設計書，データベース構築手順書などを収録している．対応プラットフォームは UNIX/WindowsNT．

● リモートメンテナンスシステム

同じく(株)メトロシステムズで展示されていたサーバ管理システム．PC/AT＋Windows環境で稼動しているサーバを遠隔メンテナンスする．専用ハードウエアRCS(Remote Console Sub-system)にサーバのモニタ出力とキーボード入力を接続し，電話回線経由でRCSに接続，サーバの制御を行う．このシステムによりWindowsの遠隔管理はもとより，サーバのシャットダウン/再起動までもが可能となる．

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