クラスの方式が非常に環境都市学に似ていました.またUIのデザインプロセスも環境都市学に似ていると思いました.たとえば,利用する人を観察したり,何のために何を使うか?など,さまざまな共通点がありました.実際のクラスのほうは,少人数のクラスでおもにディスカッションを行うことが多かったし,プロジェクトもありました.
そこでの初めてのプロジェクトは,ビデオデッキのプログラム機能をデザインするというものでした.古典的なUIの問題です.ビデオデッキの時計合わせができないユーザーって多いですよね.それらを作ったのはエンジニア達なので,使いづらいUIが多かったのが原因だと感じました.クラスでは実際にモックアップを作ったり,テストをしてもらう人の選択やUI設計の基礎を実際のハンズオンで学べたことが良かったです.
次のプロジェクトはアップルコンピュータの図書・資料室の設計でした.図書室の職員はただデータベースの作り変えを望んでいたようなのですが,われわれが調べてみると,社員の多くは図書室の存在すら知らない人が多く,そこから設計をし直すという方向でプロジェクトを進めました.データベースのUIの作り変えももちろん行いましたが,アップルコンピュータ社内で図書・資料室を広く使ってもらうためにアクセスをよくしたりもしました.HCIと出会うことによってUIの仕事が自分に向いていると感じ,自分のキャリアとして進めていこうと決めたのです.
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