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組み込み技術の総合展示会

MST2001

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MST2001入場口の写真

MST2001入場口

 「つながる,ひろがる,未来にはばたく組込み技術」を中心テーマにした,ESECと並ぶ展示会「MST2001」が11月20(火)〜22(木)の3日間,東京ビックサイトで開催された.今年で15回目を迎える同展示会は,カンファレンス総数58セッション,出展社数260団体566小間と,過去最大の規模での開催となった.主催は(社)日本システムハウス協会.最終的な延べ来場者数は3日間で14,785人に達した.

●数々の特設パビリオン

インドパビリオンの写真

インドパビリオンの様子
ユニバーシティパビリオンの写真

ユニバーシティパビリオンの様子

 出展内容も組み込み技術の発展にともなって,ハードウェア,ソフトウェアのみならず統合的な開発環境,インテグレーションサービスにまでエリアが広がっていた.また,今回は特設コーナーとして「JETRO(日本貿易振興会)」協賛による「インドパビリオン」や大学研究室の出展コーナー「ユニバーシティパビリオン」など新しい試みもなされていた.基調講演では「世界のなかの日本の技術・世界へ向けての日本の技術」を統一テーマとした3日間連続のリレー講演が行われた.

●ハードウェア系の展示物

アームを使ったロボット制御の実演

アームを使ったロボット制御の実演の様子

 今回の「MST2001」は組み込みシステムのコアとなるプロセッサ系,チップを搭載したボードソリューション,リアルタイムOS,ネットワークソリューション,これらを統合する開発環境,そして最終的な製品,というように非常に広範囲なテーマで展示が行われていた.プロセッサ系では,アームやインテル,日本テキサス・インスツルメンツなどのメーカが,多くのパートナ企業とともに自社プロセッサの強力なソリューションをアピールしていた.中でも,業界で広く使用されている32ビット組み込みRISCプロセッサを出荷しているアームでは,約30社ものパートナ企業と共同で,同社のプロセッサの幅広い用途を紹介していた.アドバネットのブースでは,各種CompactPCIボードの展示を行っており,新製品であるLow Power PentiumV 700MHzを搭載した「A6pci8003」や,PowerPC405GP 200MHzを搭載した「A6pci7503」が人気商品とのことであった.三菱電機では同社のマイコンチップを組み込んだオークス電子のワンボードマイコン「OAKS16-BoardKit」をベースとしたライントレースロボットの実演展示を行い,来場者の注目を集めていた.こうしたワンボードマイコンは,購入してすぐに利用できることから,試作機などには最適であるという.

オークス電子によるロボットの実演の写真

オークス電子によるロボットの実演

●注目を集めていたOSと開発環境

盛況だったマイクロウェアの写真

盛況だったマイクロウェア

 組み込み系のOS分野では,この分野では20年の実績を持つマイクロウェア・システムズ,最新の組み込みOSであるWindows XP Embeddedをリリースしたマイクロソフト,およびLinux関連製品を販売している各社を中心に活気のあるデモを行っていた.特にマイクロウェア・システムズのブースでは,LANアクセスをサポートしたBluetooth SDKが今回の目玉のひとつであり,来場者はデモを交えた説明に熱心に耳を傾けていた.

 マイクロソフトでは,最新の組み込みOS「Windows XP Embedded」のデモおよびパートナー企業各社による「Windows CE」「Windows NT Embedded」を利用した製品の展示で,活況を呈していた.

メトロワークスのCodeWarrior for Embedded Systemの写真

メトロワークスのCodeWarrior for Embedded System

 開発環境での注目株は,メトロワークス.マルチプラットフォーム,マルチ言語対応の統合開発環境である「CodeWarrior for Embedded System」の展示で,健在ぶりを示していた.また,イーエルティがリリースするモンタビスタ・ソフトウェアの組み込み用Linux「Hard Hat Linux」をサポートする統合開発環境「CodeWarrior for Embedded Linux」も,今後の組み込みLinuxの普及を予感させる製品である.この他,アクセスの「NetFront」や「AVE-Blue」,グレープシステムの「code|lab」なども来場者の注目度の高いブースであった.

code|labを展示していたグレープシステムの写真

code|labを展示していたグレープシステム

Copyright 2001-2002 Kitamura Toshiyuki

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