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Macintoshの祭典

Macworld Conference&Expo/Tokyo 2002

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 Macintoshの祭典「Macworld Conference&Expo/Tokyo 2002」が3月21(木)〜23(土)の3日間,東京ビッグサイトで開催された.主催はIDGジャパン,日本工業新聞社,ニッポン放送,産経新聞社,フジテレビジョン,毎日コミュニケーションズ.

盛況な入場口

盛況な入場口

 今年で12回目を迎える同展示会の東京ビッグサイトでの開催は,初めてのこと.例年,新しいハードウェアの発表が目玉であった本展示会では,今回は事前にApple社からのアナウンスがあったように,新しいハードウェアや技術の発表は行われず,すでにリリースされている新型iMacが展示の中心となっていた.

 最終的な総来場者数は173,385人となっており,恒例の米Apple社CEO,スティーブ・ジョブス氏の基調講演も初日の9:30から行われ,約6,000人が参加した.また,こちらも恒例のMacworld Conferenceでは,出版,印刷,デザイン,ビデオ製作,Web製作,3Dグラフィクス,医療,建設,建築など,クリエイティブ分野のプロフェッショナルを対象に,約50セッションものセミナが開設された.今回は例年に比べて縮小傾向にあるといわれたものの,お祭り気分は例年どおりであった.

●巨大なApple空間

新型iMacがいたるところに展示されていた

新型iMacがいたるところに展示されていた

 例年のことだが,展示会場に一歩足を踏み入れて,まず来場者の注目を集めるのが展示会の顔であるAppleのブースである.今年は例年にも増して大がかりな作りとなっており,全体をMovie,Photo,Musicの3つのエリアに分け,仕切りの内側に設けられたカウンタにはブースを取り囲むように新型iMacがそれぞれのテーマに合わせた形で展示されていた.

アップルのブースには広い面積が割かれていた

アップルのブースには広い面積が割かれていた

 また,ブース中央には巨大なステージが設置されており,iMacの特長や機能の紹介,Digital HUB,Mac OSXなどのデモが定期的に行われていた.来場者は,興味のあるテーマごとに自由にiMacを体感することができ,大量に投入された説明員からじっくりと説明を受けるという光景が,そこかしこで見受けられた.

●ビジネスソフトの両雄はMSとFM

マイクロソフトのブース(1)

マイクロソフトのブース(1)

マイクロソフトのブース(2)

マイクロソフトのブース(2)

 Appleブースで一通りiMacを堪能した後,次に目に付くのがMicrosoftのブースであった.ここでは,新たにMac OS Xに対応したMicrosoft Office Xを中心にWord,Excel,Entourage(WindowsのOutlookに相当するメーラ)などのデモが行なわれていた.

FileMakerのプレゼンテーション

FileMakerのプレゼンテーション

 Mac上のビジネスソフト分野の定番となった感があるMac版のOfficeであるが,同パッケージではWindows版のAccessに相当するデータベースがサポートされていない.この穴を埋めるのが,FileMakerである.目を転じると,ブースのメイン部分に巨大なスクリーンを設置したFileMakerのブースが目に入ってくる.ここでは,FileMakerの各製品が紹介されており,特に同社が現在,力を入れているのが,FileMaker Mobile for i-modeである.同製品は,クリック操作とレイアウト追加だけでiモードページのサイトマップを自動生成でき,Excelデータの直接取り込み機能によって,データをiモードから活用できる,という特徴を持つ.

4th Dimensionのプレゼンテーション

4th Dimensionのプレゼンテーション

 Mac用のデータベースといえば,FileMaker同様に古くからの歴史をもつ4th Dimension.こちらも4Dジャパンのブースで,その健在ぶりをアピールしていた.

シマンテックのブース

シマンテックのブース

 もうひとつビジネス系で来場者の注目が高かったのが,シマンテック.こちらでは,Mac OS X対応となったNorton Internet Security,Norton SystemWorksを中心にデモを交えた紹介を行っていた.Norton Internet Securityは,ADSLなどの常時接続環境においてセキュリティに威力を発揮するという.本バージョンから,従来のNorton AntiVirus+Norton Personal Firewallというラインに,Norton Privacy Controlが加わっているのが特徴だ.Norton Privacy Controlは,個人情報の流出を防ぐプライバシー保護やバナー広告などをカットできる広告ブロック機能などを搭載し,より安全でより快適なインターネットライフを保証する,としている.

●人気が高いグラフィクス系ベンダ

アドビのブース

アドビのブース

 グラフィクス系ベンダで圧倒的な人気を誇っているのが,アドビシステムズとマクロメディア,エイリアス・ウェーブフロントなどのブース.いずれのブースでもインターネットでのコンテンツ配信を中核とするツールおよびデモで来場者の注目を集めていた.アドビシステムズでは,Web系,DTP系の2つのステージを設けてデモを行なっていた.Video/Web Theaterでは,Adobe AfterEffects 5.5や,リリースされたばかりのAdobe GoLive 6.0,Adobe LiveMotion 2.0などのデモが行なわれており,Graphics/DTP Theaterでは,機能が強化されたAdobe InDesign 2.0,Adobe Illustrator 10などのDTP向けソフトのアピールを行っていた.

マクロメディアのFlash MX

マクロメディアのFlash MX

 対するマクロメディアのブースでは,3月29日にリリースされたMacromedia Flash MXのデモがメイン.Flash MXは,QuickTime,Windows Mediaなどのストリーミングビデオに対応するなど,リッチコンテンツやアプリケーション開発に必須のウェブデザイナ向けツールである.

Maya Personal Learning Editionが配布されていた

Maya Personal Learning Editionが配布されていた

 エイリアス・ウェーブフロントのブースでは,Maya Personal Learning Edition(PLE)のCD-ROM版を配付.Maya PLEは,体験版とはいうもののMaya Completeのすべての機能が体験できるというので,配布時には来場者が殺到するという一幕もあった.Maya for Mac OS Xの販売代理を手がけるソフトウェア・トゥーのブースでは,Mac OS X対応のMedia 100 i version 8を紹介しており,WebやDVDへと表現の場が広がるビデオ編集の世界に呼応した形へと変化していることをアピールしていた.

●次世代プリンタを模索する

沖データのブース

沖データのブース

 例年と比べてプリンターメーカの少なさが目立った本展示会であったが,そうした中で次世代プリンタのプロトタイプを多数展示していたのが,沖データのブース.展示されたプロトタイプは,チームユースパネルタイプのGMP011,チームユースコンボタイプのGMP016,パーソナルユースアームタイプのGMP001,パーソナルユースLCDタイプのGMP004の4タイプ.GMP011は,下2段がペーパーカセット,上はスキャナといった特徴を持っている.これらのプロトタイプ品は,現状具体的な開発計画があるわけではなく,次世代のMICROLINEのあり方を模索する上でのリサーチである,とのことであった.


Copyright 2001-2002 Kitamura Toshiyuki

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