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次世代の情報インフラ「T-Engine」が発表された
TRONSHOW 2002 | |||
入り口の様子 TRONが一貫して追及するテーマは,「どこでもコンピュータ(ユビキタスコンピューティング)」.この「どこでもコンピュータ」時代の新しい情報インフラとして,携帯電話や携帯情報機器,情報家電などの応用製品を開発するためのブラットフォーム,「T-Engine」を中心に「TRONSHOW 2002」が12月13日(木)〜15日(土)の3日間,ラフォーレミュージアム六本木で開催された.同展示会は,今年で32回目を迎える.主催は,「(社)トロン協会」(http://www.tron.ab.psiweb.com/),「トロンシンポジウム実行委員会」「TRONイネーブルウェア研究会」. ●T-Engineの発表T-Engineの展示 μT-Engineと同サイズLAN拡張ボード 「T-Engine」は,TRONにおいて標準的な開発プラットホームとなるべく設計された小型の組み込み向け基板である.インターネットなどセキュリティの弱いネットワークでも安全に情報や権利の受渡しができるeTRONアーキテクチャを組み込んだミドルウェアの流通基盤であり,開発効率の向上と品質の安定を実現している.T-Engineのセッションでは,T-Engineのハードウェア,カーネル,Java,開発環境などが数多く発表されていた. ●TRON関連製品の展示TRONは,これまでにエンジンなどの制御用途から,携帯電話,デジタルカメラなどの家電製品までに広く採用され,世界でもっとも多く使われている組み込み用リアルタイムOSのひとつといわれている.今回は,ITRONやJTRON関連製品も多く出展され,μITRON応用製品,ミドルウェア,他のOSとのハイブリッドアーキテクチャ,Bluetoothソリューション,開発システム,評価システム,Java実行環境などが数多く出展されていた. パーソナルメディアのブース TRON関連の書籍を数多く出版しているパーソナルメディア(http://www.personal-media.co.jp/)では,150万文字を扱える多言語環境を提案し,実際に17万字以上の文字を扱えるようにした「超漢字」シリーズの最新バージョンBTRON「超漢字4」を出展しており,来場者の高い関心が集まっていた. 日立のJPEG画像のデモ 日立のブースでは,日立製作所を始めグループ企業が多くのT-Engineソリューションを出展しており,日立超LSIシステムズでは,T-EngineとHi ApplicationEngineを利用したJPEG画像のデモを行っていた. アプリックスのJBlendを搭載したミニディスクAVレコーダ JBlend搭載のディジタルカメラ画像保存・再生ツール 組み込み用Javaソリューションで定評のあるアプリックスでは,同社の「microJBlend」をT-Engine上に実装し,ミニディスクAVレコーダを実際に制御するなど,携帯情報端末や情報家電などの応用製品のデモを行っていた. エルミックシステムのAccel-Linux エルミックシステムでは,ITRON仕様カーネルの1タスクとしてLinuxが動作するハイブリッドアーキテクチャ「Accel-Linux」のデモを行っていた.これにより,Linuxを搭載した組み込みシステム上でのリアルタイム処理を実現でき,ITRON,Linux双方の資源を有効活用できるということで,来場者は説明員の説明に熱心に耳を傾けていた. 坂村健氏 また初日には,「T-Engineの概要」と題した坂村健氏の基調講演も行われ,会場内は熱気に包まれていた.
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