それで卒業後は,いきなりシリコンバレーのスタートアップに入社されたのですが,その経緯を詳しく教えてください. |
ほとんどのビジネススクールでは,インターンシップを卒業の必修課目としているわけですが,JAIMSでも卒業間近になるとインターンシップに行きます.われわれアメリカ式経営学のコースにいる学生はアメリカ企業に,日本式経営学コースを学んでいる学生は日本企業に,という具合になってました. |
卒業間近に企業で実習するインターンシップはビジネススクールでも,工学部でもありますね.インターシップやサマージョブ制度は,自分の学んだスキルがどれくらい実際の世界で通用するかを確かめたり,本当にこの分野でやっていけるかどうか確かめたりすることができる非常に有意義なシステムですね.
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私のクラスメートは,ほとんどが日本からの企業派遣で来ていたので,短期的なインターンシップでも問題がないわけですが,私の場合は卒業後の就職先を決めなければならない立場でした.そういうわけで,就職を前提に考えてくれるところを選び,レジュメを送るようなこともしました.自分のいままでの経験などを考え,半導体ベンダやEDAベンダに絞って応募しました.結局落ち着いたEDAのスタートアップは,以前付き合っていたアメリカ人のエンジニアがいたので彼から直接会社の状況が聞けたことと,対応がいちばん早かったことから決めました.当時この会社は,設立2年目で従業員が約40名でした. |
典型的なシリコンバレーのスタートアップでしたね.日本の商社からビジネススクール,そしてシリコンバレーのスタートアップでしたが,相当な経験だったのでは?
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いや〜 もう毎日がすごい経験ばかりでした….いまでも懐かしい.とにかく毎日カルチャーショックでしたね.社長とか開発部のトップとも毎日顔を合わせるし,仕事もいっしょのときが多く,とにかく会社の誰でも会社の状況をしっかり把握してましたね.エンジニアでない人事の女性でも,会社の製品が「IC設計で必要なフロアプランナでは,当社が業界で60パーセントのシェアをもっている」とかちゃんと知っているのです. |
私も4社ぐらいスタートアップを経験していますが,会社・製品が違ってもあの雰囲気は独特で,同じ感じがしますね.みんなキビキビとしている.でも会社が成功して株式を公開すると一気に雰囲気が変わった経験もありますが,あれも不思議ですね.
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そうですね,パブリックの会社(株式上場後)になると,たしかに雰囲気が変わります.とにかく上場する前は,IPO(Initial Public Offering:株式上場)が大きなゴール&イベントとしてみんなを一丸とさせるのでしょうね. |
言い方がよくないかもしれませんが,パブリックな会社になると急にサラリーマンっぽい人が増えたりする. |